世界一セルフィーが好きなブラジル人

2016年 03月 3日

自撮り棒

ぼくの知る限りにおいて、世界で最もセルフィーが好きな人種はブラジル人なのではないかと思っています。

日本ではあまり見られないセルフィー文化が発達しているブラジルの事情をご紹介します。

ブラジルでは特に若い女性でセルフィー好きが多いです。彼女たちは、セルフィーを撮るときに、わざとらしいくらいに「きゅっ」と口角を上げます。そして、腰に腕を当てて、色々な角度からスマホのカメラでセルフィーを撮影するのです。

ブラジル人の話によると、彼女たちは自分が最も美しく写る角度や表情を心得ているそうです。たまに、セルフィーを撮影しているブラジル人を間近で見ることがあるのですが、一人きりなのに、口角を「きゅっ」とあげて笑顔で静止している姿を見るのは面白いです。

彼女たちは、周りの人の目など全く気にしません。自分だったら、一人旅に出たときに周りに人が居ないのを確認して、こっそりセルフィーを撮ったりすることがあるかもしれないですが、人が大勢いるところでのセルフィーは恥ずかしくてできません。彼女たちの堂々とした態度には尊敬の念すら覚えます。

ブラジル人女性は、自分が美しく見えるための努力は惜しみません。セルフィー好きの女性は、色々なアングルから撮影するだけでなく、カメラのレンズから目線を外す、いわゆる「モデル目線」で撮影することもあります。また、鏡に映したモデル目線の自分を取る技術も発達しています。写真を見せてもらうと、「もはや別人ではないか?」と心の中で思うことすらあります。

こうして撮影されたとっておきのセルフィーは、フェイスブックなどでシェアされるほか、スマホの待ち受け画面の画像に使用されたり、パソコンの背景に設定されたりします。

日本人で、自分一人がアップで写っている写真をスマホやパソコンの画面に設定する人は、あまり居ないと思いますが、ブラジルではわりに一般的なのです。

(写真・文/唐木真吾)

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
コラムの記事一覧へ