オーデブレヒチがブラジル石油公社との共同事業ブラスケンの持分を売却か?

2016年 03月 14日

オーデブレヒ(オデブレヒト)

持分取得に関心を示しているのは、カナダのブルックフィールド・アセット・マネージメント、サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコ、もう一社は社名が明かされていない中国の石油化学事業会社だ。

しかし今やペトロブラス持分の売却は、ブラスケンの出資持分38%を握るオーデブレヒチの動向をうかがう展開となっている。オーデブレヒチが持分を売却することになれば、ブラスケン議決権の過半数を取ることが容易となるため、取引価額は上昇すると見られている。

トムソン・ロイターが提供するブラスケンの時価情報に基づき試算すると、ペトロブラスとオーデブレヒチの持分合計は時価で111億レアル(約3500億円)になるという。

情報筋によると、ペトロブラスの持分譲渡の条件には、オーデブレヒチが譲渡先を共同事業のパートナーとして受け入れることが含まれており、オーデブレヒチが決断を保留にしていることでペトロブラス持分売却の交渉も止まったままになっているという。

この持分譲渡に関して今のところアメリカ合衆国の投資家は関係していない。しかしながら今後ペトロブラスの持分売買を広い範囲の投資家から募集した場合、「ラヴァ・ジャット作戦」の影響や合衆国の厳しい法規制を心配する投資家が出てくる可能性はある。

「フォーリャ・ヂ・サンパウロ」紙が報じたところによると11日(金)、オーデブレヒチ関連会社のオデブレヒト農業法人が背負っている債務100億レアル(約3200億円)の返済計画見直しにあたって、貸付銀行団は追加担保として、オーデブレヒチのブラスケンへの投資持分を狙っていると伝えている。

(文/原田 侑、写真/Tânia Rêgo/Agencia Brasil)
写真はリオデジャネイロ、ボタフォーゴにあるオーデブレヒチのオフィス。オーデブレヒも、ブラジル石油公社をめぐる贈収賄事件の渦中の企業のひとつ

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