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ブラジル、新型インフルエンザの犠牲者102名に

ブラジル インフルエンザ

今、ブラジルで、政治の混乱と同時にホットなニュースは、治安問題でもなく、ジカウィルスでもデング熱でもなく、A型インフルエンザである。

4月12日づけのブラジル各紙によると、死者はブラジル全土で102人に増加。サンパウロ州保健局の発表では、同州だけで70人を超えたようだ。

日本では14年のインフルエンザによる死者数が1130人に上ったが、夜間でもまだ摂氏15度前後のサンパウロにしては死者が多いといえるだろう。

保健省の発表(4月4日)によると、このインフルエンザは日本でも近年流行っている新型インフルエンザ(H1N1、A型インフルエンザの一種)とのこと。2009年にも流行ったが、今年はさらに猛威を振るっており、同発表時点における死者は、すでに71人に達していた。

インフルエンザによる死者は現時点で昨年全体の7倍とのことで、例年より早い流行に、保健所では予防接種の前倒しに追われており、接種を待つ人で長蛇の列ができている。妊婦、60歳以上の高齢者、生後6カ月以上5歳未満の小児が優先で予防接種を受けられるが、ワクチンがなくなるのを恐れて、朝4時台から小さな赤ちゃんを抱いて並ぶ人もいる。並んで待っている間にインフルエンザがうつるのではと心配になるが、サンパウロ州保健局長は、ワクチンは十分にあるので焦らないでほしい、と呼びかけている。

今年(2016年)オリンピックが開催されるリオデジャネイロに至っては、気温がいまだ摂氏37度を超える日がある。

インフルエンザの流行というのが日本人としてはピンとこないところだが、確かにブラジルの季節は夏を過ぎて、これから徐々に涼しくなっていくところではある。本格的な冬はまだ先であり、まさにオリンピックの頃。これまで、ブラジル政府はジカウイルスもオリンピックの頃には、涼しくなって収まると言っていたが、逆にインフルエンザがピークを迎えることになるかもしれない。オリンピックの観客がますます減りそうな話である。

ところが、これを商機と捉えて、ブラジルならではのプロモーションを行う会社もある。サンパウロ市南部の高級車BMWの販売代理店であるアグーリャス・ネグラスBMWは、4月9日の来店者にH1N1ワクチンの無料接種を行うとの広告を7日づけブラジルの有力紙「エスタード・ジ・サンパウロ」紙に掲載。1000人分のワクチンを用意し、朝6時から受け付ける気合いの入りようだ。

日本では厚生労働省が許可しないであろうが、ブラジルの保健省は、認可済みで使用期限内のワクチンがプロの医療従事者によって注射されるなら、違法性はないと柔軟な姿勢を示している。朝から子ども連れで大行列ができ、テレビ各局、新聞社など多数のメディアも押しかけた。かなりの露出であり、宣伝費に換算すれば軽くワクチン代を超えたのではないかと思う。

路上生活者が増え、失業率の高さも実感できるレベルになってきたブラジルでは、これまでは予約をしなければ入れなかったレストランが、週末の夜に突然行っても入れるようになった。スーパーなども長蛇の列でこれまでは何度も途中でくじけて何も買わずに帰っていたが、明らかに客が減って、買い物もしやすくなった。

そんな最悪の状況下で流行っているインフルエンザだが、保健所だけではなく、篤志家の活動などもあり、治安、ジカウイルスや政府の混乱に比べれば、御しやすく、見通しは暗くなさそうだ。

(文/輿石信男(クォンタム)、記事提供/モーニングスター、写真/Cesar Brustolin/SMCS)
写真は2015年に行われたインフルエンザの予防と啓蒙のキャンペーン

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