アサヒ飲料、ABインベブグループとの子会社買収合意を発表

2016年 04月 25日

アサヒビール

ブラジル現地紙「オ・グローボ」が4月19日づけで報じたところによると、アサヒ飲料グループ(以下「アサヒ」)による、ABインベブグループ(以下「ABインベブ」)の子会社となる予定の2社に関する買収について合意が成立したという。

買収の対象となるのは現在SABミラー傘下のペローニ(イタリア)とグロールシュ(オランダ)。SABミラーはABインベブの傘下に入ることですでに合意が成立している。

アサヒ側は買収額について発表していないが、今年2月にABインベブがアサヒに対して25億5000万ユーロを提示していると伝えている。

株の譲渡取引はABインベブがSABミラーを買収する日と同日に行われるとみられる。SABミラーの買収は昨年11月発表された額では1120億ユーロで、これはM&A史上最高額となる。

ABインベブがヨーロッパの独占禁止法制に抵触しないためには、現在SABミラー傘下にあるペローニとグロールシュの取得を諦めなくてはならない。

ABインベブは2月にアサヒからペローニとグロールシュの2社買収に関して打診を受けたと発表した。イギリスのミーンタイムもアサヒの買収対象リストに入っているという。

アサヒの海外市場での売り上げは現在グループ全体の10%程度だが、人口減少、高齢化が進む日本市場の縮小リスクにさらされている。そのため他国の市場に参入する機会を見出す必要に迫られている。

近年はアジア、オセアニアで買収を仕掛けてきたが、今回の2社は新たな地域での市場参入を狙った買収となる。

(文/原田 侑、写真/Guilhem Vellut)
写真はスーパードライホールのある施設