看護師が手術中の自撮り画像をInstagramにアップして停職処分に

2016年 07月 6日

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ブラジル人は日本人に負けず写真が大好き。人が集まるところでは、とにかく自撮りでバシバシ撮りまくり、すぐにSNSにアップする。

そんな自撮り好きがついに手術室の中にまで及んだというニュースがブラジル北東部ピアウイー州から飛び込んできた。

グローボ系列のテレビ局「TVクルビ」(ピアウイー州)が7月2日付で伝えたところによると、同州の救急病院で手術中の画像をインスタグラムにアップした看護師が停職処分を受けたという。

看護師が手術室から撮った画像は、本人がインスタグラムにアップした後、WhatsAppを通じて広く出回っているという。

ピアウイー州都にあるテレジーナ救急病院は2日、手術中の自撮り画像をインターネットに公開した看護師の処分を決める調査委員会を発足させ、ピアウイー州地方看護師評議会にも持ち込まれた。

問題の画像には写真を撮る看護師の後ろで医療チームが臓器摘出手術を行っている様子が映っている。インスタグラムのアカウントから投稿された本人のコメントは下記のとおり。

「今日は朝3時から臓器摘出手術のためテレジーナ救急病院の手術室に入っています。素晴らしいプロフェッショナル集団、トップのチームとともに。描写しがたい経験」

手術台の患者は文化プロデューサー、フランシスコ・ダス・シャガス・アラウージョ・ジュニオール氏。悲惨な交通事故で亡くなった。遺族は30日、臓器摘出に同意し、摘出手術は7月1日の夜明け前に専門家チームが開始した。摘出された臓器は肝臓、腎臓、角膜だった。

「看護師の行動は倫理的観点から地方看護師評議会で審査されます。写真が公開されたことを知ってすぐに我々は看護師の停職処分と調査委員会の発足を決定しました。病院施設内の画像を公開することは禁じられています。写真に写りこんでしまった人たちの同意を取っているのかどうかについても調べる必要があります。問題の調査、看護師の行動の評価等の結果を待ちたいと思います」(テレジーナ救急病院ディレクター、ジルベルト・アウブケルキ氏)

病院の経営陣によれば、問題の看護師は産休中の職員の代理で手術室に入ったとのことだ。

グローボ系ニュースサイト「G1」が地方看護師評議会から聞いたところによると、写真を流出させた看護師は処分検討のための会合を経て、聴取が行われる予定だという。看護師は免許取り消し、または医療業界からの追放にまで至る可能性があるとのことだ。

病院は画像・映像を問わず、どんな形であっても患者の姿を曝すことは認めないことを伝える声明を出している。

「軽率な職員の行動は、病院側の、常に患者を保護する姿勢とは何の関係もありません」(テレジーナ救急病院声明より)

(文/余田庸子、写真/Reprodução/Instagram)
SNSにアップされた病院内の写真