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リオ五輪男子サッカー、ブラジルが3戦目にして本領発揮

オリンピック ネイマール

8月10日の夜10時(日本時間11日午前10時)、サルヴァドールのアレーナ・フォンチノーヴァでブラジルのグループリーグ3戦目、対デンマーク戦が行われた。

この試合は、入り方から非常に注目していた。これまでの2戦、ブラジルはいずれもスコアレスドローに終わっており、直前の試合では、観客に大ブーイングをされていたからだ。

しかし、この試合、両チームの選手がピッチ上に登場すると、満員の観客からは温かい声援が送られていた。

この日のブラジルは、出場停止の影響もあり、中盤のメンバーを変えていた。ボランチには、出場停止のチアゴ・マイヤ(サントス)に代えワラシ(グレミオ)、そして2列目にはフェリペ・アンデルソン(ラツィオ)に代えルアン(グレミオ)が先発していた。

開始早々から、完全にブラジルペースになった。

無得点のプレッシャーからどのような入りになるかと思っていたが、この日は前試合とは違い、硬さはほとんど見られず、いい攻撃を続けていた。

そんな中、前半26分にガビゴウ(ガブリエウ・バルボーザ)がゴールを決めた。待望の初ゴールだった。やっと決めてくれた、という感じだ。

ゴールを決めたガビゴウは、観客席のサポーターのところにまで行って、喜びを爆発させていた。このゴールで、ブラジルは相当にプレッシャーから開放されたと思う。

この日のブラジルは、1、2戦目が嘘のように、とてもいい攻撃ができていた。1、2戦目と違い、ボランチを2人にしたことが効いているようだった。2戦目で大ブーイングを浴びていたヘナト・アウグストも第1ボランチ(守備的なボランチ)の位置に入り、いい動きをしていた。途中で交代したが、前試合とは打って変わってスタンディングオーベーションで迎えられていた。

そして、前線の4人(強力3トップと2列目のルアン)は、自由に臨機応変にポジションを入れ替えていた。特に2列目のルアンの動きはよかったと思う。縦横無尽に動き、基本は2列目だが、3トップとうまく絡み、相当効果的な動きができていた。

強力3トップのネイマール(バルセロナ)とWガブリエウだが、基本ポジションはいつもと違い、ネイマールが真ん中、ガブリエウ・ジェズス(パウメイラス)が左にポジションを取っていた。

いつもより選手同士の距離感がよかったと思う。特に、ガブリエウ・ジェズスはかなり守備的な位置まで降りてきているシーンが目立ち、相当に動き回っており、それは効果的に働いているように見えた。

7月末に行われた日本との親善試合と同じような感じだった。あの時も、中盤の配置をWボランチで2列目を一人にし、FWからDFまでを間延びさせず、いい距離感を保ち、非常に分厚い攻撃を行っていた。

この日はそれ以上に、FWとDFラインが非常にコンパクトで、まるで全員攻撃、全員守備のような感じで試合を組み立てていた。

ガビゴウのゴールの後、前半40分にはガブリエウ・ジェズスが、やっとゴールを決めた。1、2戦でも、そしてこの試合でもことごとく決定的なチャンスを外していたので、このゴールは本人にとっても相当にうれしく、そして楽になったはずだ。

後半に入っても、ブラジルの動きは変わらず、後半5分にはこの日大活躍のルアンが3点目を決め、後半35分にもガビゴウがダメ押しの4点目を決めた。

ネイマール オリンピック

終わってみれば、4-0の快勝。得点だけでなく、試合内容でも相手を圧倒していた。

ボール支配率は69%。シュート数は、デンマークの3に対しブラジルは22。ほとんどデンマークがボールを持つことはなく、決定的なピンチもほとんどなかった。

一度、デンマークにゴール前でのフリーキックがあり、ブラジルGKのウェヴェルトンが大きな声で、「ネイマール!、ガビゴウ!」と叫びながらDFの位置の指示をしていたことは印象深かったが、ピンチはそれぐらいだろう。

それにしても、みていて惚れ惚れするような試合だった。

華麗なパス回し、そして個人技なども見せてくれ、私は見ていて感動すら覚えた。久しぶりにこれぞブラジルサッカー、これぞフッチボウアルチだと思いながら見ていた。これで、ブラジルは決勝トーナメント進出を決めてくれた。終わってみれば、グループリーグ首位通過だ。

しかし、安心はしていられない。決勝トーナメントは一発勝負である。いつも、こんなすばらしい試合ができるとは限らない。

また、気がかりもある。ネイマールにゴールが決まっていないことだ。

この日も、ネイマールは何度もシュートを打つが、決まらなかった。これまで数々の大舞台で活躍を一人占めするほどだったが、本大会ではゴールを決められずいまひとつな印象を受けてしまう。前線のボールに遠い位置にいることも多く、もう少し動いてもいいかなと思うシーンもいくつかあったりするが、自分より若い選手たちが気持ちよさそうにプレーできるようにしているので、悪くはないのだと思う。

前試合までの不甲斐なさに、ブラジル国内では、男子サッカーにそっぽを向き、女子サッカーに期待を寄せられているなどとの報道もあったが、これで、少しは男子サッカーにも再び注目されることだろう。

決勝トーナメントは、13日(日本時間14日)に準々決勝4試合が行われ、ブラジルは13日夜10時(日本時間14日午前10時)からサンパウロのアレーナ・コリンチャンスで、コロンビアを相手に試合が行われる。コロンビアが相手ということで因縁めいているが、ブラジルの快進撃を期待したいところである。

(文/コウトク、写真/Andre Borges/Agencia Brasília)
写真は8月8日、ブラジリア。五輪第2戦の対イラク戦でも得点を決められなかったネイマール

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著者紹介

コウトク  2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。現在、スポーツナビのブログ「ブラジルサッカーレポート」(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kohtoku/)を執筆中。