家賃を払えず、自分の子を売ろうとした父親が逮捕される

2016年 10月 13日

人身売買ブラジル

TVグローボが10月7日(金)、ニュース番組「ボンヂーア・ブラジル」で報じたところによると、生後4か月の自分の息子を売ろうとした男が逮捕されたという。

男はマット・グロッソ・ド・スウ州カンポグランヂ市に住む26歳のルシアーノ・ルイス・ヂ・カルヴァーリョ容疑者。

同容疑者はサンパウロ市に住むパトリシア・メロ・カンポスに、自分の息子を3000レアル(約10万円)で売る交渉をしていたという。

売ろうとした動機について容疑者は警察に、家賃を払うお金が無くなったから、と語っているという。ルシアーノ容疑者は現在カンポグランヂ警察に拘留されている。

ルシアーノ容疑者はカンポグランヂからサンパウロに向かうバスに乗るため、バスターミナルに来ていたところを逮捕された。バスターミナルのチケットカウンターに無料乗車チケットの入手方法を聞きに来た同容疑者に対応した係員からの通報があったのだ。

係員によると、容疑者がカウンターに来たときは異常な緊張状態だったという。警察官が駆け付けてルシアーノ容疑者を問い詰めたところ、赤ちゃんを売ろうとしていたことを白状した。

警察は容疑者の携帯電話を押収し、赤ちゃんの売買に関するやり取りを公開した。やり取りの中には銀行口座や金額だけでなく、子どもを合法的に州外に出すためには親の同意が必要だ、といった細かい手続きについての情報も含まれていた。

人身売買は売り手も買い手も罪に問われる。そのため買い手は途中から売買から養子縁組に話を変えようとしている部分も公開された。

カンポグランヂ警察によると、買い手、つまりは自分の子供ではないのに自分の子として登録する場合は懲役6年、売り手側は懲役14年が下る可能性が高いという。

買い手のパトリシア・メロ容疑者はまだ捕まっていない。TVグローボでもその所在はつかめていないという。

売られそうになった赤ちゃんとその母親はカンポグランヂ市内で保護されている。

(文/原田 侑、写真/Reprodução/Bom Dia Brasil/TV Globo)
写真は人身売買の取引が記されたメッセージのやりとりの記録。「ボンヂーア・ブラジル」より。日本ではIPCTV/グローボインターナショナル(スカパー 514ch)で放送中)