環境都市クリチーバ市(パラナ州)

2016年 10月 23日

クリチーバ市

クリチバ日本国総領事館はブラジル南部三州(パラナ州、サンタカタリーナ州、リオグランデドスル州)を管轄しています。当館はパラナ州の州都クリチバ(クリチーバ)に設置されています。

パラナ州の面積は199,314平方kmで日本の約半分の面積であり州面積の半分が海抜600m以上の高原です。人口は11,163,018 人(2015年) でブラジル全体の人口の約5%に当たります。

パラナ州には世界的観光地であるイグアスの滝があります。ブラジルを訪問した方であればクリチバを訪問したことはなくともイグアスの滝を訪問した方は多いのではないかと思います。

パラナ州はブラジル国内でも有数の生産量を誇る農牧畜業、活発なアグロビジネスで知られていますが同時にブラジル国内で第三位の自動車生産州でもあります。

またパラナ州にはサンパロに次ぐ規模の日系社会(約15万人)が存在しています。日系人は政治、経済、医学、司法などブラジル社会の幅広い分野で活躍すると共に日本語・日本文化の保存・普及に努めています。

パラナ州は移住者・日系人による地域開発への貢献に加えて日本の地方と連携(パラナ州は兵庫県、クリチバ市は姫路市、マリンガ市は加古川市、ロンドリーナ市は西宮市及び名護市、パラナグァ市は淡路市と姉妹提携)していることもあり大変親日的な州であり、貿易・投資を通じて日本との関係が深い州となっています。

筆者は在クリチバ日本国総領事としてクリチバで勤務しています。平均標高934mのクリチバの冬は寒さが厳しく、トロピカルなイメージが強いブラジルの中ではやや異色です。私自身クリチバを旅行者として訪問したことはありましたが勤務することは初めてでした。着任後クリチバの街中を少しずつ知るにつれ、クリチバには緑と公園が多く、また、創意工夫を凝らした都市計画・交通システムが施されていることに改めて感銘するようになりました。

クリチバの全市域の18%を緑地が占め、街路樹を除いた一人当たりの緑地は49平方m、街路樹を含めると51.5平方mで世界の都市の中でもノルウェーのオスロに次ぐ水準で世界屈指の緑地を有しています。しかし70年代には一人当たりの緑地は1平方mに過ぎず、クリチバの緑地はそれ以降の戦略的な都市計画の下で確保され保全された成果とされています(次ページへつづく)。

(文/池田敏雄、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会)、写真/Luiz Costa/SMCS)
街路樹の多いクリチーバ市。秋から冬には街路樹は紅葉する