労働者党の時代にひと区切り。ブラジル地方選で社会民主党が躍進

2016年 11月 7日

フェルナンド・アダジ前市長

10月にブラジル各地で投開票された全国市長・市議会選挙では、ブラジル社会民主党(PSDB)、ブラジル民主運動党(PMDB)が勝利した一方で、労働者党(PT)の退潮が鮮明になった。

2003年のイナシオ・ルーラ大統領就任以降、労働者党は一時代を築いたが、8月末のジウマ・ルセフ大統領の退陣と今回の選挙結果で、労働者党(PT)時代にひとつの区切りがついたといえるだろう。

複数の現地報道によると、今回は、全国5568のムニシピオ(市)の市長、副市長、市議の選挙があった。10月2日に一次投票、同30日に決選投票にあたる二次投票が実施された。

グローボ系列のニュースサイト「G1」による10月3日時点の集計によると、2012年の地方選挙時点では、労働者党(PT)は630の市長を出していたが、今回は256人にとどまった。一方で、ブラジル民主運動党(PMDB)は前回から13人増やし、1028人で主要政党中最多となった。ブラジル社会民主党(PSDB)は前回から107人と大幅に増え、793人となった(次ページへつづく)。

(文/小島寛明、写真/Paulo Pinto/Fotos Públicas)
写真は10月2日、サンパウロ。サンパウロ市の市長選挙では決選投票(第2次投票)を待たずに第1次投票でジョアン・ドリア候補が過半数以上の票を獲得して当選。現職で労働者党(PT)のフェルナンド・アダジ市長(当時)の落選が決まった