髪と色気に関する国際比較調査でも、ブラジル人はヘアケアを重視

2016年 12月 11日

エフティ資生堂

意識の違いが顕著だった例のふたつ目は、<色気>を出すために努力している点についての質問。

海外3か国の女性は「ヘアケア」、日本の女性は「身振り・立ち居振る舞い」の優先順位が高かった。海外3か国の女性は「髪は色気を引き出す重要なパーツ」と認識していることが浮かび上がったが、少なくともブラジルでは、ヘアケアの需要は実際に高い。

ブラジルではここ数年景気が低迷しているにもかかわらず美容市場は成長を続けている。市場調査大手ミンテルのレポート「ブラジリアン・ライフスタイル2015」では、2015年と2019年の間の1年の成長率は平均10.2%と予測している。2010年から2014年にかけての成長率は13%したという。ブラジルのニュースの通信社ヂノによると、業界をけん引する企業の一つが2013年に設立されたヘアケア・ブランド「リッズケア(Leades Care)」で、同社は2016年に150%の売り上げ増が見込まれている。

ヘアケア事情 ブラジル

意識の違いが顕著だった例の三つ目は、<色気>が自身に何をもたらすのかを訪ねた質問。

海外の女性たちは、「毎日の生活の幸福度が高くなる(三か国平均で63.1%)」をトップに挙げたが、一方、日本は「異性にモテるようになる(67.3%)」という回答がトップだった。

ヘアケア事情 ブラジル

パリコレなど数々のショーで世界中の女性の髪に触れてきたという資生堂トップヘア&メーキャップアーティストの計良宏文氏は、調査の結果に、もともとの髪質や自然環境の違いも関係している可能性を示唆した。

「一緒に仕事をするモデルには、ブラジル・フランス・ロシア出身の方が多いのですが、ヘアケアに気を使っている人は非常に多い印象を持っています。3カ国ともに共通しているのは、元々髪色が明るく艶の出にくい髪質だということ。空気はドライでパサつきやすく、(ヨーロッパの場合)水は硬水ということもあり、きちんとお手入れをしないと艶髪を保つことができません。そのため、髪への意識が自然に高くなり、大切にしたいという願望が強いのではないのでしょうか。そして、毎日努力して髪をきれいにすることで色気を保ち、それが自信につながっているのだと思います。(日本でも)色気を異性へモテることではなく、自分の人生をワンランク豊かにするひとつのアイテムとして捉えてほしいです」(計良宏文氏)

<調査結果>

◎「自分に<色気>があると思いますか」

「色気があると思う」 ブラジル40.0%、ロシア33.7%、フランス4.0%、日本1.7%
「どちらかといえば色気があると思う」ブラジル37.3%、ロシア56.3%、フランス54.7%、日本8.7%
「どちらかといえば色気はないと思う」ブラジル17.3%、ロシア8.3%、フランス28.7%、日本32.7%
「色気はないと思う」ブラジル5.3%、ロシア1.7%、フランス12.7%、日本57.0%

◎「自分の外見に満足していますか」

「満足している」ブラジル37.0%、ロシア24.3%、フランス16.3%、日本3.0%
「どちらかといえば満足している」ブラジル36.0%、ロシア58.0%、フランス56.0%、日本29.7%
「どちらかといえば満足していない」ブラジル23.7%、ロシア15.3%、フランス24.0%、日本41.3%
「満足していない」ブラジル3.3%、ロシア2.3%、フランス3.7%、日本26.0%

◎「<色気>を出すために現在努力をしていますか」

「努力している」ブラジル28.7%、ロシア40.3%、フランス15.0%、日本2.0%
「どちらかといえば努力している」ブラジル41.7%、ロシア40.7%、フランス53.0%、日本17.0%
「どちらかといえば努力していない」ブラジル20.7%、ロシア16.7%、フランス26.0%、日本35.7%
「努力していない」ブラジル9.0%、ロシア2.3%、フランス6.0%、日本45.3%

◎「普段<色気>を出すために努力していることトップ3」回答658(複数回答)

海外/「ヘアケア」65.8%、「メークやファッション」65.3%、「スキンケア」63.5%
日本/「身振り・立ち振る舞い」68.4%、「スキンケア」68.4%、「メークやファッション」63.2%

◎「<色気>があることで、生活にどのような影響があると思いますか」

海外3か国(900名、複数回答)
「毎日の生活の幸福度が高くなる」(63.1%)
「異性にモテるようになる」(57.7%)
「人前で堂々と発言できるようになる」(50.1%)

日本(300名、複数回答)
「異性にモテるようになる」(67.3%)
「異性との交際・交流のための活動が増える」(52.7%)
「同性から憧れを持たれるようになる」(51.0%)

(文/麻生雅人、図版(グラフ)提供/エフティ資生堂)

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