ブラジルではXmasを家族と過ごすために囚人が解放される!?

2017年 01月 3日

ブラジル 囚人 クリスマス 解放

クリスチャンの多いブラジルでは、クリスマスが非常に重要視されています。日本人が年始に年賀状を送るように、ブラジル人はクリスマスになると、メールでクリスマスツリーの画像を添付したメッセージを送ります。

ブラジルでは25日が祝日でお休みになり、クリスマスイブには、家族で集まりお祝いをします。日本では、クリスマスに外食する人も多いですが、ブラジルでは家でクリスマスを祝うことが一般的なので、小さな町では、クリスマスの夜は町から人の気配がほとんど消えます。

そんなブラジルには、クリスマスを家族と過ごしたいという想いはブラジル人全員に共通した想いであり、それは刑務所の囚人も同様であるという考えがあります。

ブラジルではクリスマスの時期になると、囚人を恩赦する、又は仮出所させて、家族と一緒にクリスマスを過ごせるように便宜を図る制度があります。

とはいっても、さすがに連続殺人犯やレイプ犯などを町に放つということはありません。解放してもらえるのは、模範囚のみです。

ブラジルの刑務所には大きく分けて3つのタイプの囚人が居ます。

1:懲役刑(regime fechado):看守の監視のもと監獄に拘置される刑。
2:保護観察(regime aberto):所定の宿舎又は自宅にて観察の上に更生させる刑。
3:準保護観察(regime semiaberto):日中は外で働いて、夜は刑務所内で寝るという刑。

囚人が一時的に出所できるケースは、「クリスマスの恩赦(indulto)」と「仮出所(saída temporária)」のふたつのケースがあり、ブラジル人でもこの2種を混同してしまっている人が多いようです。

準保護観察の囚人には「仮出所(saída temporária又はSaidão)」を申請する権利があり、許可が得られれば最大7日間の仮出所が認められます。

仮出所は一年に5回まで申請することができ、一般的にはクリスマスの他、イースター、母の日などに家族と一緒に過ごすために使われることが多いようです。仮出所中に囚人がルールを逸脱するようなことが有った場合、将来の仮出所の権利を失うほか、準保護観察の身分から懲役囚に貶められることもあります。

一方、「クリスマスの恩赦(indulto)」を受けた囚人は、仮出所とは異なり、罪が許されて自由の身になります。

ただし日頃の振る舞いが良く、刑期が8年以上で、かつ、少なくとも4分の1の刑期を終えた囚人のみが対象になります。また、半身不随、盲目、14歳以下の子どものいる母親で5分の2以上の刑期を終えた囚人も対象になります。ただし、レイプ犯、計画的殺人犯、拷問犯、麻薬密売犯などの重大犯罪人は恩赦の対象外となります。

(文/唐木真吾、写真/Rodrigo Sena/Portal VERTICES)
写真は2016年12月25日、ミナスジェライス州マリアーナ市の歴史地区のクリスマスの夜

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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