館長が語る、日伯“二国間の絆”の館「ジャパンハウス」

2017年 01月 3日

隈研吾氏のプロジェクトは、木材や紙といった自然素材をクリエイティブに活用することで、軽快かつ光り輝くスペースを創造し、日本文化の浸透という舞台における主役を演じる、という構想に基づいている。

ジャパンハウスのファサードは檜木造りで、日本の職人たちによって手作りされた「木のカーテン(格子)」とブラジル・ノルデスチ(レシーフェ(ヘシーフィ)市)のモダニズム建築のベースといえる「コボゴー」と呼ばれる中が空のセメントブロックとの組み合わせ、すなわち“日伯混合”建築物だ。

ファサードは檜木のアローマと太陽光の具合で変化する色彩との組み合わせが魅力を醸しだし、大都市の“喧騒”と“静”が対位している。竹が建物全体を取り囲んでいるが、竹はアジア(日本)原産にしてブラジル原産でもあるので両国を象徴している。

この繊細にして美しい建物環境は、一階から三階までの総面積は 2,500㎡以上で、日本文化をより知りたくてやってくる、ブラジルや南米諸国からの人々が出会いをエンジョイできる、繊細にして便利なスペースを創り出すことになるだろう。私どもとしては、ジャパンハウスを訪ねてくださる方々に日本の特有な魅力を味わっていただき、この唯一無二の環境で、色彩、形態、食味、手触り、香りを体感していただけたらと願っている。

日本に在る豊かな文化は、このジャパンハウスの壁の隅々まで反響し、訪問者を何回も驚嘆させ、日本文化に対する関心を更に深めることになると思っている。

ジャパンハウス・サンパウロは、様々な展示会、講演会、セミナー、文化イベント、アーティストのライブ演奏などを行っていくが、とりわけ歴史や人的相互交流に留意したい。

日本からアーティスト、科学者、スポーツ選手、ビジネスマンからシェフや市民団体リーダーまで、様々なプロフィールを有する人物を招聘していく。

建物のなかには、一流和食レストランやカフェテリア、さらには民芸品や日本製品の「ポップアップストアー」も設置される。この担当キューレーターはマルセロ・ダンタスだ。

彼は、サンパウロの「ポルトガル語博物館」やコロンビアの「カリブ博物館」、ベルリンの「民俗博物館」などを手掛けており、この分野では手堅い実績を残しているベテランだ。

今一度、ジャパンハウスの概要をメモしてみよう(次ページへつづく)。

(文/アンジェラ・タミコ・ヒラタ(原文ポルトガル語)、翻訳/ブラジル特報編集部、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会))