2017年 05月 28日 06:43

ブラジルで親しまれてきたカイピリーニャが国際的、かつ公に広くしられるようになったひとつのきっかけは、1994年、国際バーテンダー協会(IBA)の公式カクテル・レシピの中にカイピリーニャのレシピが英語で記されたことが挙げられる。
カイピリーニャのレシピの掲載を働きかけたのは、当時、ブラジルバーテンダー協会(ABB)の会長を務めていた“メストリ・デリヴァン”ことデリヴァン・ジ・ソウザ。このIBAのカイピリーニャのレシピは、現在、トラディショナル・スタイルとして知られている。
トラディショナル・スタイルのカイピリーニャの作り方の大きな特徴は、シェイカーを使わず、すべてグラスの中で作る点だ。
IBAのカクテル・レシピに掲載されているレシピと作り方は以下。
カシャッサ 50ml(5cl)
生ライム 2分の1を4つに切る
砂糖 ティースプーン2杯
作り方は「オールド・ファッションド・グラスの中に、ライムと砂糖を入れてつぶす。グラスに氷とカシャッサを満たす」と記されている。
ライムの種類は記していないが、トラディショナルなカイピリーニャには、基本的にはリマォン・タイチ(タヒチライム)が使われることが多い。
また、トラディショナル・スタイルでは氷はキューブドアイスを使う。「Text of Brazil ブラジルの味」(ブラジルの味」ブラジル連邦共和国外務省)はその理由を「細かく砕いた氷だと溶けやすいので、カイピリーニャが水っぽい味になる」からだと説明している。
メストリ・デリヴァンは、カシャッサの専門サイト「Mapa da Cachaça」が運営するyoutubeチャンネルのコンテンツでトラディショナル・スタイルのカイピリーニャ作りを実演している。
その中でデリヴァンは、「カイピリーニャは単なる飲みものではなく、ブラジル人にとってひとつの文化です。ブラジルる独特のものだとプライドを持つべきもの」と語りながら、トラディショナル・スタイルのレシピを、より丁寧に指南している。
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(文/麻生雅人、写真/Divulgação)
写真は2015年、クリチーバ市で開催された第一回「カイピリーニャ巡り」の中で「ホテル・ランカスター」が提供したトラディショナル・カイピリーニャ。イベントには市内の55以上のホテルやバー、レストランが参加した。
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