シェアードオフィスならぬシェアードスクール!?不況下のブラジルで新業態

2017年 05月 31日

シェアードスクール

同校のフランチャイザー、ホジェーリオ・ガブリエウさんいわく、最も大きなメリットは言うまでもなくコスト削減とのことだ。通常の、自前で教室を構える形式のフランチャイズ校と比べて小学校の一室を借りる場合は、インフラ投資額は3割以下になるという。自前で整える場合は1校につきだいたい9万~16万レアル(約340~600万円)かかる。

「シェアード方式のビジネスモデルは単なる流行ではなく、世界的にも定着しつつあります。家、車などあらゆるところでいろいろなものがシェアされています。学校だってシェアの対象になりうるのです」(ホジェーリオさん)

別の小学校の教室では、別のフランチャイズ英語学校、コレジオ・サン・ジョゼー・ド・マラニョンが入っている。このチェーンを経営するマウリシオ・カスチーラ・ガルシアさんの初期投資額は2~3万レアル(約75万~約114万円)だったという。

初期投資だけでなく、運営コストも下げられる。受付担当、管理スタッフなどもすべて小学校側に払う賃料に含まれているため、余分に払う必要がないのだ。自前で教室を整えている教室に比べて月額運営コストは2万レアル(約75万円)ほど節約できているとのことだ。

そして、これは学校ならではのメリットだが、生徒を集めるための宣伝・マーケティング費用が掛からない点も大きい。顧客(生徒)がすでにいる場所に、自分が出ていくのだ。フランチャイズ校は英語教師を一人送り込めばそれでよいのだ。

シェアドスクール方式で恩恵を受けるのは英語学校側だけではない。生徒やその家族にとってもメリットは大きい。

(次ページへつづく)

(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Pequenas Empresas & Grandes Negócios」/TV Globo)
写真はブラジルの「Pingu’s English」。TVグローボ「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」より。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで