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ブラジルで、健康食品市場にもM&Aの波。ユニリーバがマィン・テーハを買収

マィン・テーハ

国民のほとんどが肥満、糖尿病、高血圧のいずれかを抱えているといわれるブラジルだが、近年、連邦政府、地方自治体の旗振りもあって健康的な食生活への関心が高まりつつある。

カロリーの消費については全国津々浦々でアカデミーアと呼ばれるスポーツクラブが盛況で、専属トレーナーによる指導を受けている人も多い。食事に関しては、全国展開するスーパーマーケットチェーンでオーガニック食品専用コーナーが設けられるなど、ブラジルの健康関連商品市場は伸びしろの大きな分野として注目を浴びている。

この成長市場に世界が注目し始めていることを伝えるニュースが入ってきた。

グローボ系ニュースサイト「G1」ほか現地メディアが10月2日づけで伝えたところによると、世界的消費財メーカー、ユニリーバによるブラジルの中小健康食品メーカー、マィン・テーハの買収につき合意が成立したという。買収額は非公開。

また、「G1」ほか現地メディアは10月11日付でブラジル経済防衛行政審議会(CADE)がユニリーバによる買収を無条件で承認したとも伝えている。

CADEは日本における公正取引委員会と同様の独占禁止法運用機関で、ブラジルでのM&A案件は事前にCADEの承認を受けることとなっている。CADEは、ユニリーバの買収がブラジル国内市場において競争を損なうことはあり得ないと判断したとコメントしている。

これにより、ユニリーバによるマィン・テーハ買収は正式に効力を持つことになる。

買収の対象となったマィン・テーハはサンパウロ州オザスコに本部を置く、国内シェア9位の健康食品メーカー。1979年に設立され、2007年以降アレシャンドリ・ボルジェス氏が経営の指揮を執っている。従業員数は約300人。素材にこだわったスナック、ビスケットが売れ筋で、商品の一部はゴウ航空の機内食にも選ばれている。また、ブラジルにおける食育伝道師的存在の料理研究家、ベラ・ジウ氏を企業イメージキャラクターに起用し、コラボ商品も販売されている。

ボルジェス氏は生花販売サイト、フローリス・オンラインやマーケティングサービス会社シグニフィカの元共同経営者で、マィン・テーハに移ってからは同社の商品ラインナップを現在の120種類にまで広げ、商品の流通網もブラジル全国に拡大した。

今回の買収後もユニリーバはボルジェス氏を留任させると同時に、マィン・テーハの少数株主である投資ファンド、BRオポチュニティーズも参画させたままとする。ユニリーバ傘下のアイスクリームメーカー、ベン&ジェリーズ等と同様に、管理運営については今まで通り独立した状態が保たれるという。

ボルジェス氏によると、マィン・テーハの売上増加率は年30%に達するという。健康食品は80億ユーロ(約1兆560億円)の成長市場で、マィン・テーハの買収により、ユニリーバはこの巨大成長市場に本格参入する意思を示したことになる。

一方、マィン・テーハにとってはユニリーバ傘下に入ることで流通面でグループ内他社の製品と合わせた交渉が可能となり、交渉力が格段に高まることになる。マィン・テーハの製品流通量は近い将来倍増することが見込まれるという。

今回の買収は、巨大成長市場で供給元を確保するため健康食品に特化した中小メーカーを買収するという、他の大手食品メーカーの戦略と足並みをそろえたものだ。なお、ユニリーバはマィン・テーハ買収に先だって、9月9日、イギリスのハーブティーメーカー、パッカハーブズを買収している。買収額は非公開。

ユニリーバによると、ブラジルは世界第5位の健康飲料・食品市場で、79%の消費者が健康への影響と食品に含まれる栄養素を商品購入の際に最重要視するとのことだ。しかしながら、オーガニック商品の購入に関してはブラジルの順位はかなり下がり、世界で25位だという。

ブラジルはその不健康人口の高さから消費マーケットとしての魅力が大きいが、商品の供給元としても注目度が高い。国土が広く、動植物の生態系が多様なブラジルは薬草やスーパーフードの宝庫ともいわれ、健康食品市場を目指すメーカーにとってはブラジル現地企業を傘下に入れることは重要な差別化戦略となる。今後、グローバル資本によるブラジルの健康食品メーカー争奪戦はいっそう激化していくものと思われる。

(文/原田 侑、写真/麻生雅人)
ブラジル国内の健康食品店などでは定番ブランドのマィン・テーハ。ゴウ航空の国内線のフードメニューにも取り入れられている(写真は号航空のメニュー表。右上がマィン・テーハのパッケージ)

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