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ブラジル発「投資ロボ」、103億円以上を運用

ブラジル ロボ投資

1月30日から2月3日までサンパウロで開催され、大好評のうちに幕を閉じた南米最大のテクノロジー展「キャンパス・パーティ2018」。

今回の大会にも様々な分野の発明家たちが出展し、未来の技術を一目見ようとやってきた訪問者たちを魅了した。

訪問者たちの中で最も熱が入っていたのが投資家だ。各ブースで出展者と熱く語り合う投資家の姿も見られたという。

グローボ系ニュースサイト「G1」が2月2日づけで伝えたところによると、キャンパス・パーティで暗号通貨への投資運用プログラムを発表した出展者が、投資家から熱い視線を集めていたという。

近年、電子的プログラムによる投資管理・投資顧問の可能性を追究してきた発明家エドゥアルド・トケットさんは、自身が開発し、運用中の投資ロボット「ウォーレン」とその“いとこ”で今年4月から運用を始める「エリオット」をキャンパス・パーティに出展した。

トケットさんはリオ・グランヂ・ド・スウ連邦大学で学ぶ23歳の学生。学業と並行して今までに3億レアル(約103億円)の預り資産を自作のプログラムで運用している。

投資運用ナビゲーションサイト「Yubb」にはすでにウォーレンの自動運用が紹介されているが、昨年(2017年)はブラジル銀行間預金証書金利(CDI)との比較で+134%という実績を残している。

トケットさんとブラジルの投資運用会社、XPインベスチメントスの元社員たちによって開発されたウォーレン。基本的な設計はチャットボットと同じだ。会話の相手が言っていることを理解し、その情報をもとにタスクを走らせて結果をフィードバックするという仕組みだ。

チャットボットで扱えるタスクはピザの注文、タクシーの配車、飛行機の便の時刻を調べるなど様々だが、ウォーレンの場合は、会話の相手からいくら、何に、どういう目的で、どのくらいの期間でどれだけの利益を得たいのかという情報を得て、それをもとに投資ポートフォリオを組み立てる。

ただしウォーレンは人間ではないので、質問に対し、回答が口語的になりすぎたり、質問に質問で返したりすると、「チャットエラー」というメッセージが返ってくるので注意が必要だ。

ウォーレンからの質問に答え、銀行口座情報を登録し終わったらだいたい5通りくらいの投資シナリオが提示される。取引を始める前に保証金を入れる必要があるため、先に銀行口座情報が必要となる。

この投資ロボの実績は、13か月間に25000人の顧客から1億レアル(約34.5億円)を預かり、運用をしている。投資家の年齢層は様々だが最低年齢は27歳だという。

このたび、キャンパス・パーティで出展された「ウォーレン」と「エリオット」の名前の由来についてトケットさんは次のように語っている。

ウォーレンは世界的投資会社(持株会社)、バークシャー・ハザウェイのバフェット氏のファーストネームを拝借したが、エリオットは米国の人気ドラマ「Mr. ロボット」の登場人物、エリオット・オルダーソンにちなんでいる。

「エリオットはウォーレンと反りが合わない従弟で、暗号通貨への投資のみを扱います」(エドゥアルド・トケットさん)

エリオットは2018年4月に稼働開始を予定しているが、仮想通貨間の「両替仲介」機能が中心になるという。

この投資ロボはビットコインの扱いから始めることになるが、2018年末には20種類の暗号通貨を扱うことを目指している。

ドラマ「Mr.ロボット」におけるエリオットの精神面での問題を知っている人は不安に感じるかもしれないが、トケットさん曰く、プログラムとドラマの登場人物の共通点は名前だけで、プログラムの内容には関係がないとのことだ。

もう一つ、ブラジル国産のロボ投資プログラムで注目を浴びているのが「ウエズレイ(Ueslei)」だ。投資家向けプラットフォーム「ヴェリオス」を母体としている。

ウォーレンとは異なり、ウエズレイは設定された収益目標を達成するため随時投資資産のアロケーションを変更する。投資対象はブラジル国債、ブラジル国内株式、米国株式・債券としている。ヴェリオスはXPインベスチメントス系列の証券会社ヒコと連携し、顧客資産管理の合理化を図っている。

「ウエズレイはきちんとリスクを管理したうえで常により高いリターンを求めます。私たち人間は時に高い値段で買って安い値段で売ってしまって絶望的な気持ちになったりします。でもウエズレイは常に安い値段で買って、高い値段で売る、という合理的で正しい判断をします」(ヴェリオスの運営責任者、イザベラ・パシュイーニ氏)

ウエズレイは2016年7月以来、顧客の運用資産から1億8000万レアルの利益を生み出している。顧客数は公開していない。

ウォーレン、ウエズレイはともにブラジル証券取引委員会(CVM)によって資産運用管理会社として位置づけられているが、インヴェスト・プロによる投資ロボはコンサルタント扱いとなっている。

同社は顧客の資産状況を見て、提携先の10金融機関が提供するポートフォリオの範囲内で投資の助言をするのみだ。提携金融機関はブラジル銀行、イタウー、連邦貯蓄銀行、ブラデスコ、サンタンデール、XPインベスチメントス、オラマ、イージーインヴェスト、ジェニアウ、アーゴラの10社。

「インヴェスト・プロは一般的に他の投資ロボが見る利率、収益性、トラックレコードは見ず、例えば2018年の総選挙に関する情報のように、これから起こりうること、市場に影響しうる情報をインプットし、助言を行います」(インヴェスト・プロのマリア・デイヴェルチ氏)

もう一つの特徴は、投資実行メニューの一部をオンラインで無料で公開している点だ。ただ機能的には制限がかけられていて、今年からアップグレードした有料バージョンもリリースされる。

ウォーレンの年間資産管理手数料は預り資産の0.8%。一方ヴェリオスは預り資産の0.95%だが、アセットアロケーションに伴って証券会社に支払われる手数料が含まれている。

低金利時代の到来でブラジル人資産家が本格的にリスク資産への投資に目を向け始めた。ブラジルの富裕層が持つ半端ない額の資産を、国内外の運用会社が虎視眈々と狙っている。

2017年12月以降のビットコイン急騰・大幅反落を受けた投資規制など、ブラジル金融当局のスタンスには不透明な部分もあるが、冷静な投資を売りにする国産投資ロボは徐々に注目を集め始めているようだ。

(文/原田 侑、写真/Warren/Divulgação)

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