リオのカーニバル、山車のドライバーの酒気帯び運転を取り締まり

2018年 02月 11日

サンバ カーニバル 事故 ウニードス・ダ・チジュッカ

現在カーニバルが開催中のリオデジャネイロ市で、各サンバ団体のパレードが行われる専用会場(サンボードロモ)で、パレードに使われる山車の運転手が飲酒をしていないか検査を行うと、現地メディア「アジェンシア・ブラジル」が伝えている。

この飲酒検査については、カーニバルの開幕に先駆けて2月5日(月)にマルセロ・クリヴェーラ市長が発表したもの。

検査は2017年のカーニバル会場で、山車の運転手が人身事故と転倒事故という2件の事故が起きたことを受けてセキュリティを万全にするために行われることになったという。

2017年のカーニバルでは、2月27日のパレードに参加したサンバ団体のひとつパライーゾ・ド・トゥイウチの行進開始直前に、山車が転倒して約20名が負傷して、うち1名が命を落とす事故が起きている。

カーニバル 事故 リオ

さらにこの事故の翌日、28日にも別のサンバ団体ウニードス・ダ・チジュッカの行進でも12名が負傷する山車による事故が起きている。

パライーゾ・ド・トゥイウチの事故で犠牲になったのは、現場に居合わせたラジオジャーナリストのエリァベッチ・フェヘイラ・ジョフィさん(55)で、事故後病院に搬送され、入院して2カ月後の4月29日に息を引き取った。

「市の保安官を会場に派遣して山車の運転手の酒気帯び状態を検査します。カーニバルの行進に使う巨大な山車(アレゴリア)の運転は一般の車両より運転がむつかしく、安定して操縦するのも簡単ではありません。ですから、ほんの少量であっても酒気帯びは許されません。もし飲酒していたら運転してはいけません」(マルセロ・クリヴェーラ市長)

市長はカーニバルの期間にパレードが行われる会場に行くけれどサンバを楽しむわけではないと語った。

「(パレードが行われる)マルケス・ジ・サプカイ大通りにはいまるよ。でもサンバを楽しむためではなく検査をするために行くのです」(マルセロ・クリヴェーラ市長)

先週には酒気帯び運転の検査に先駆けて、リオ市の工学及び農学地域審議会がカーニバルの行進に参加する13のサンバ団体の本拠地を訪ねて、事故を未然に防ぐための検査も行っているとのこと。

(文/麻生雅人、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
写真は2017年2月28日、リオデジャネイロのカーニバル会場、ウニードス・ダ・チジュッカの行進で事故が起きて救急車が駆け付けた