ブラジル人写真家も出品。写真家の青年期の作品を紹介する大規模なフォト展覧会、開催

2018年 03月 21日

清里フォトミュージアム

東京都写真美術館では3月24日(土)より、世界の写真家が青年期に残した作品を集めて紹介する展示「原点を、永遠に。―2018―」を開催します。

展覧会を主催するのは清里フォトアートミュージアム(山梨県北杜市)で、同美術館の全収蔵作品の中から、写真家が35歳までに撮影した作品を選んで展示するというものです。

19世紀以降の海外の著名な写真家35人、第二次世界大戦以後の日本を代表する31人、同館が世界の35歳以下を対象におこなう公募=ヤング・ポートフォリオから厳選した29人、計95人(各1-5点出品)409点の写真が公開されます。

日本人の写真家では荒木経惟さんや藤原新也さん、岩合光昭さんなど、ブラジルではジュリオ・ビッテンクールさんの写真が展示されます。

展示会を主催する清里フォトアートミュージアムは「若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ」を基本理念に活動を行っている美術館です。毎年35歳までに撮影された写真を世界中から公募して、第一線の写真家による選考のもとで作品を購入して、展覧会を開催しています。過去22年間に、世界74カ国から10,157人、128,831点の応募があり、45カ国、773人、5,974点の作品を永久保存しているとのことです。

同美術館によりますと、芸術家は、青年期に強い意志と情熱をもって試行錯誤を重ねることにより、才能や資質が高められて作品のクオリティが磨かれていくとのことで、こうした研鑽を積んだ作家の多くは、30代には自己のスタイルを確立して、代表作となる作品を生みだしているとのことです。

表現の領域を開拓して歴史を築いてきた写真家の原点とも言うべき作品を展示することで、芸術における青年期の意義を問いたいとしています。

また、この展展示は2018年6月からは国立台湾美術館にて巡回展が予定されています。

出品作家は下記(ABC順、★=ヤング・ポートフォリオ作家  ●=ヤング・ポートフォリオ選考委員)

ベレニス・アボット(アメリカ合衆国、1898-1991)

アンセル・アダムス(アメリカ合衆国、1902-1984)

G.M.B. アカシュ(バングラデシュ、1977)★

マヌエル・アルバレス・ブラボ(メキシコ、1902-2002)

荒木経惟(日本、1940)●

有元伸也(日本、1971)★

ワーナー・ビショフ(スイス、1916-1954)

ジュリオ・ビッテンクール(ブラジル、1980)★

ビル・ブラント(イギリス、1904-1983)

ブラッサイ(ハンガリー、フランス、1899-1984)

ロバート・キャパ(ハンガリー、アメリカ合衆国、1913-1954)

アンリ・カルティエ=ブレッソン(フランス、1908-2004)

張 照堂(台湾、1943)●

アルヴィン・ラングドン・コバーン(アメリカ合衆国、1882-1966)

ブルース・デイヴィッドソン(アメリカ合衆国、1933)

ロベール・ドアノー(フランス、1912-1994)

ハロルド・E. エジャートン博士(アメリカ合衆国、1903-1990)

ERIC(イギリス、1976)★

エリオット・アーウィット(アメリカ合衆国、1928)

イスマイル・フェルドゥス(バングラデシュ、1989)★

ロバート・フランク(スイス、アメリカ合衆国、1924)

藤原新也(日本、1944)

エメット・ゴーウィン(アメリカ合衆国、1941)

ハン・スンピル(韓国、1972)★

英 伸三(日本、1936)●

エリザベス・ハウスト(ロシア、1992)★最年少

林 典子(日本、1983)★

ロバート・ハイネケン(アメリカ合衆国、1931-2006)

ルシア・エレロ(スペイン、1976)★

ルイス・ハイン(アメリカ合衆国、1874-1940)

本城直季(日本、1978)★

細江英公(日本、1933)●

今井壽恵(日本、1931-2009)●

石元泰博(日本、1921-2012)●

岩合光昭(日本、1950)●

フィリップ・ジョーンズ=グリフィス(イギリス、1936-2008)

亀山 亮(日本、1976)★

ユーサフ・カーシュ(アルメニア、カナダ、1908-2002)

川田喜久治(日本、1933)●

アンドレ・ケルテス(ハンガリー、アメリカ合衆国、1894-1985)

鬼海弘雄(日本、1945)●

木之下 晃(日本、1936-2015)●

北島敬三(日本、1954)●

北野 謙(日本、1968)★

ウイリアム・クライン(アメリカ合衆国、1928)

ヴィクトル・コーエン(ギリシャ、1967)★

マリヤ・コジャノヴァ(ロシア、1986)★

桑原史成(日本、1936)●

アル・ラプコフスキー(ラトビア、1981)★

セルゲイ・レベディンスキー(ウクライナ、1981)★

三木 淳(日本、1919-1992)

ラファル・ミラフ(ポーランド、1978)★

三好和義(日本、1958)●

百瀬俊哉(日本、1968)★

森山大道(日本、1938)●

長野重一(日本、1925)●

内藤正敏(日本、1938)●

中藤毅彦(日本、197)★

奈良原一高(日本、1931)●

野町和嘉(日本、1946)●

大石芳野(日本、1944)●

アダム・パンチュク(ポーランド、1978)★

アーヴィング・ペン(アメリカ合衆国、1917-2009)

ジル・ペレス(フランス、1946)

トニー・レイ=ジョーンズ(イギリス、1941-1972)

坂口真理子(日本、1987)★

ジョージ・H. シーリー(アメリカ合衆国、1880-1955)

瀬戸正人(日本、1953)●

デイヴィッド・シーモア(ロシア、ポーランド、アメリカ合衆国、1911-1956)

下薗詠子(日本、1979)★

篠山紀信(日本、1940)●

白川義員(日本、1935)

W. ユージン・スミス(アメリカ合衆国、1918-1978)

ギジェルモ・シュロデック=ハート(アルゼンチン、1977)★

ジョエル・スターンフェルド(アメリカ合衆国、1944)

アルフレッド・スティーグリッツ(アメリカ合衆国、1864-1946)

ルー・ストーメン(アメリカ合衆国、1917-1991)

フランク・メドウ・サットクリフ(イギリス、1853-1941)

髙木忠智(日本、1977)★

高梨 豊(日本、1935)●

田沼武能(日本、1929)●

立木義浩(日本、1937)●

東京るまん℃(日本、1980)★

東松照明(日本、1930-2012)●

富山治夫(日本、1935-2016)●

土田ヒロミ(日本、1939)●

植田正治(日本、1913-2000)

ジェリー・N. ユルズマン(アメリカ合衆国、1934)

エド・ヴァン・デル・エルスケン(オランダ、1925-1990)

ムネム・ワシフ(バングラデシュ、1983)★

エドワード・ウエストン(アメリカ合衆国、1886-1958)

ハンネ・ファン・デル・ワウデ(オランダ、1982)★

楊 哲一(台湾、1981)★

横須賀功光(日本、1937-2003)●

ピョートル・ズビエルスキ(ポーランド、1987)★

開催期間中には東京都写真美術館 地下1階展示室にて関連イベントとしてギャラリートークも実施されます(予約は不要)。

3月24日(土)14:00-15:00 中藤毅彦(写真家)× 柊サナカ(ミステリー作家)

3月25日(日)14:00-15:00 瀬戸正人(写真家)

4月7日(土) 14:00-15:00 川田喜久治(写真家)

4月21日(土)一回目 14:00-15:00/二回目 16:00-17:00 鬼海弘雄(写真家)

(文/麻生雅人、画像提供/清里フォトアートミュージアム)