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ブラジルの経済防衛行政審議会、不正競争防止法違反の疑いで大手銀行5行への調査開始

ブラジル経済防衛行政審議会 CADE

暗号通貨、ブロックチェーン技術等の浸透で、従来の「お金」とはずいぶん異なる「資産」のやり取りが身近になってきている。また、低コストの資金移動など、銀行の牙城を崩す金融技術(フィンテック)も日々進化しているが、ブラジルでも新興企業による新しい金融サービスが日々誕生し、メディアを賑わわせている。

その一方で、既存勢力と新興企業の対立も目立つようになってきた。

グローボ系ニュースサイト「G1」が3月23日づけで伝えたところによると、ブラジル経済防衛行政審議会(CADE)が新興フィンテック企業に対する業務妨害の疑いで、ブラジルの大手銀行を調査すると発表したという。

調査の対象となるのはイタウ・ウニバンコ、ブラデスコ、サンタンデール、バンコ・ド・ブラジル(以下「ブラジル銀行」)、連邦貯蓄銀行(以下「カイシャ」)の5行。

CADEに業務妨害を訴えたのは、ブラジルのフィンテック新興企業、ヌーバンクだ。訴えによると、大手5行はヌーバンクの顧客がヌーバンクを使った取引の代金決済時に口座引落ができないよう妨害したとのことだ。

具体的に大手5行はヌーバンクの顧客が行った支払いについて、ヌーバンクから顧客口座へのアクセスができないよう妨害したという。顧客口座へのアクセスができないと、顧客自身は支払い指示をしているにも関わらず、ヌーバンクは顧客の口座から代金を回収できないことになる。この点については大手5行の共謀関係があるとも主張している。

また、自社のフィンテック事業戦略において重要な従業員に対し、イタウ・ウニバンコがヘッドハンティングをかけるなどの方法でも事業を妨害をしてきたとも主張している。

5行に対する調査を開始するにあたってCADEは、ヌーバンクの訴えの中には不正競争防止法違反にあたる項目が含まれており、これらについては事実関係を確認する必要があると述べた。

ヌーバンクはクレジットカード取引のプラットフォームを提供する企業として誕生し、2018年1月、テメル大統領は同社に対し、金融機関としての活動に認可を与えた。

ブラデスコはG1の取材に対し「調査中の件に関してはコメントできません」と伝えてきた。またブラジル銀行はCADEの調査に対し全面的に協力すると述べつつも、金融市場において不適切とされる行動はとっていないと妨害を否定している。

G1はカイシャ、サンタンデール、イタウ・ウニバンコにも質問状を送ったがこの3行からはまだ返信はない。

ヌーバンクの訴えが事実だとするとかなりあからさまな妨害行為だが、実際に調査を経て裁判ともなると大手5行の圧倒的な資金力が結論に影響する可能性もある。

ラヴァ・ジャット作戦で「古いブラジル」の膿をかなり出したように見えるブラジルだが、本件はブラジル経済界が本当に新しいフェーズに入っているか否かを示す、興味深い案件になると思われる。

(文/原田 侑、写真/Iano Andrade/Portal Brasil)

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