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ブラジルで有機栽培認証を取得する農家が増加中

シャパーダジアマンチーナ

ブラジルは世界有数の農業国だが、生産過程は農薬に支えらえている部分も大きい。2008年以降、ブラジルは世界で最も農薬の使用量が多い国ランキングで常にトップレベルにあるといわれる。

ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)の調べによると、ここ10年間でブラジルにおける農薬使用量は93%増加し、健康への影響が懸念されるレベルに達しつつあるとのことだ。

そんな中、国民の間でも農薬に対する警戒感が高まってきている。SNS等で農薬普及推進派議員を2018年総選挙で再選しないよう呼びかけるなどの投稿も目立ち始めた。

同時に、有機栽培産品の小規模生産者を支援する動きも様々な場面で出てきているようだ。

TVグローボがアグロビジネス情報番組「グローボ・フラウ」で伝えたところによると、バイーア州で有機農法を採用する小規模農家に対する認証制度が始まったという。

バイーア州シャパーダ・ヂアマンチーナ地区では、有機農法が年々広がってきている。

同地の農業技術者、エリコ・サンパイオさんは、学生の息子たちと一緒に有機農法で2万株のイチゴを栽培している。目標は3万5千株まで増やすことだと語る。

サンパイオさんは1箱12レアル(約350円)でイチゴを出荷しているが、もし農牧供給省基準の有機認証を受けていればもっと高値で取引ができるという。

農牧供給省の認証を受ける場合、一般的には同省の専門検査員による検査を受けることになるが、小規模農家にとっては金銭的な負担が大きい。農家1軒あたり1万5千レアル(約42万円)の支出になるという。

そこで小規模農家たちが目を付けたのが、参加型有機認証制度(以下「PGS」)だ。

PGSは各農家が属する地域において有機農産物の品質を相互保証するシステムで、国際有機農業運動連盟(IFOAM) の定義によれば、「信頼、社会的なネットワーク、知識の交換・生消交流の基盤の上に、消費者の積極的な参加活動に基づいて、生産者を認定する」制度とのことだ。

ブラジル農牧供給省は、同省自前の認証制度と並行してPGSによる認証も認めている。そのため、ブラジルの小規模農家の間でPGSを通した有機栽培認証を受ける動きが広がっている。

農牧供給省規格との違いは、PGSは個人に対してのみ認証が与えられる点だ。

PGSでは地域の農家がお互いに検査をしあう。TVグローボは小規模農家、アルベルト・マルチンスさんの農場に対する相互検査に同行した。マルチンスさんはトウモロコシ、玉ねぎ、にんじんを栽培しているが、ちょうどPGS認証の最終段階にあるとのことだ。12人の相互検査員が最低でも年に1度、各農家を訪れ、相互に実地検査を行う。

検査中に不備が見つかった場合、不備を解消するために一定期間が設けられる。その間に解消できればPGS認証を取得・維持できる。不備の指摘に納得しない、または期間内に不備が解消できなければ認証されない。

また、PGS認証の最終段階では、農牧供給省の認定を受けた農家の視察を受け入れるプロセスがある。この認定農家は、PGS規格による相互検査の結果を参照しながら相互検査で適正とされている項目が本当に適正かどうかを確認する。

この視察をクリアすることによって、PGS認証はブラジル農牧供給省の規格を満たした認証となる。

ブラジルのPGS認証は今年で8年で、今までに5千軒以上の農家の認証を行ってきた。有機農業は手間暇とお金がかかるが。シャパーダ・ヂアマンチーナ地区で認証を受けた有機農家の利益率は約30%とのことだ。薄利多売イメージとは程遠い。

驚愕の利益率だが、農薬大国において食の安全を求める消費者にとっては、それだけの価値がある取組みであるといえる。

(文/原田 侑、写真/Divulgação/Globo Rural)

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