【コラム】ブラジルでサッカー選手の「あだ名」登録が廃止に!?

2018年 08月 14日

セレソンブラジレイラ

ペレ、ジーコ、カカというブラジル人のスター選手の名前は日本でも有名ですが、彼らの名前は全て「あだ名」だということをご存知でしょうか?

日本やヨーロッパ、南米諸国(ブラジル以外)では、ユニフォームに姓を表記するのが一般的ですが、ことブラジルに限っては「あだ名」を記載する傾向が見られ、それがブラジルの文化の一種となっています。

ところが、2018年ロシアW杯では23名の代表選手には、あだ名の選手が一人もいないという結果になりました(PauloをPaulinhoと表記するケースは除外)。これは、1974年以来で44年ぶりの出来事だったようです。

サッカー選手が「あだ名」を使用しなくなった理由は簡単で、ブラジルのサッカー・クラブの役員がそれを禁じているから、という要因があります。

あだ名禁止令は、サッカー選手があだ名に付随するイメージに縛られて、十分な才能を発揮できなくなるから、という点が理由のひとつに挙げられています。また、選手の個性を重視したサッカーから、よりチーム・プレーや戦略性を重んじるサッカーに変化していることも、その背景にはあるようです。

しかし、あだ名とサッカー選手の才能発揮はあまり関係が無いように思いますし、あだ名選手がいなくなるというのは、ブラジルらしさが失われるようで寂しくもあります。

折角なので、有名な「あだ名」選手の名前と由来をいくつかご紹介します。

(次ページへつづく)

(文/唐木真吾、写真/Lucas Figueiredo/CBF)
写真は2018年6月3日、リヴァプールで行われたブラジル対クロアチアの親善試合

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著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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