ブラジル保健省、新型コロナウイルス感染者データの情報隠しを是正、データ公表を再開

2020年 06月 10日

写真は6月7日(日)、サンパウロ市で行われた民主主義の遵守を訴える抗議デモの様子。ボウソナーロ大統領は退陣せよ、というメッセージが掲げられている(写真/Guilherme Gandolfi /@guifrodu)

6月9日(火)、ブラジル保健省は、6月5日(金)以降に行い多方面から批判を浴びていた新型コロナウイルスの感染者数データの公開制限を解除した。

同日に公表した新型コロナウイルス パネルデータでは、相変わらず退院者数を強調するレイアウトにはなっている者の、累計の感染者数と死者数や、致死率、死亡率などのデータや、統計グラフも掲載した。

また、夜間に遅らせられていたデータの公開時間も改善され、同日は18時45分に公開された。

ジャイール・ボウソナーロ大統領の政権による新型コロナウイルスの感染者やパンデミックに関するデータへのアクセス制限は、各メディアのみならず議会からも批判を受けており、メディアが一致団結して情報収集にあたるなど異例の事態が生じていた。

ブラジル保健省が新型コロナウイルス パネルデータで6月9日(火)18時45分に発表したデータは下記。カギカッコ内は現地メディアが20時に発表したデータ。

北東部の感染拡大が進み、同地方の感染者総数はサンパウロやリオデジャネイロのある南東部に迫り、その差は500人を切っている。人口10万人あたりの発生率と致死率ではすでに北東部が南東部を超えている。

<退院者>

退院者 311,064
入院 390,033

<感染者>

感染者 739,503 (メディア発表:742,084)
新規の感染者 32,091
発生率 351.9

<死亡者>

感染による死者 38,406 (メディア発表:38,497)
新規の死者 1,272
致死率 5.2%
死亡率 18.3

<地域別(感染者/死者/人口10万人当たりの発生率/人口10万人当たりの死亡率)>

全国  739,503 / 38,406 / 351.9 / 18.3

南東部 261,183 /  17,753 / 295.6 / 20.1
北東部 260,699 /  12,134 / 456.7 / 21.3
北部  153,938 /  7,213 / 835.2 / 39.1
中西部  31,405 /  537 / 192.7 /  3.5
南部  32,405 /  733 / 107.8 / 2.4 

(文/麻生雅人)