ブラジル最大の銀行強盗のひとつといわれる“億万長者泥棒”、逮捕される

2013年 11月 7日

イタウ

2011年8月に起きたサンパウロ市、パウリスタ大通りにあるイタウ銀行の貸金庫強盗グループのリーダーと目される、商人のJoão Paulo dos Santos ジョアン・パウロ・ドス・サントス(35歳)を11月5日(火)にボン・ヘチーロ地区で逮捕したと、6日(水)付けの「ヴェージャ」(電子版)が伝えた。

この事件はブラジルで最大の銀行強盗のひとつと言われており、被害金額は現金2億5000万ヘアイス(約100億円)と、宝石類だった。

逮捕直前、ジョアン・パウロ・ドス・サントスは逃亡を図ったが撃ち合いにはならなかったという。この後、サンパウロ州犯罪調査局に移送され、取り調べが行われる。

「ヴェージャ」によると、ジョアン・パウロ・ドス・サントスはすでに10月25日に、裁判で18年と8か月の禁固刑が言い渡されているという。グループのうち6名が逮捕されており、7名がまだ逃亡中だという。計画に加担した人間は少なくとも20名はいるとみられている。

ジョアン・パウロ・サントス・ドス・サントスは2003~2009年の6年間、盗みと、犯罪グループを作ったかどで拘禁刑を務めていたという。

2011年8月28日未明、12人の実行犯グループが、ビルのメンテナンス作業員に扮して銀行に侵入。警備員を脅して地下の金庫室に入り、優に10時間をかけて400ある個人顧客向けの貸し金庫のうち170を壊して中身を奪ったという。強盗たちが銀行を出たのは翌朝で、警察が犯行に気付いたのは事件の8日後だったという。

現在、被害はだいたい現金2億5000万ヘアイスと言われているが、犯行が起きた当時は被害金額は明らかになっていなかった。預けられていたもののほとんどが脱税のための現金や貴金属だったためだ。

他の事件で逮捕された犯人が、この事件にかかわる宝石や外貨を所持していたことがきっかけで、いもずる式に犯行メンバーが特定されていったという。

(文/麻生雅人、写真/Francisco Anzola)
写真はパウリスタ大通りのイタウ銀行