ブラジルの魅力を発信するブランド「SAMBA」

2013年 07月 20日

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第8回ブラジルフェスティバル初日は、例年よりも盛況に感じた。

同フェスでも商品を紹介していた新進アパレル・ブランド「Samba(サンバ)」をご紹介したい。

「サンバ」は、クリチバ出身のKauan Andriatti カワン・アンドレアッチさん(写真左)と日本人のKenyu Shimono シモノケンユウさん(写真右)の二人が旗揚げしたばかりのブランド。広く大勢の方の目に触れるお披露目は、今回のブラフェスがはじめて。

カワンさんは、パーソナル・トレーナー、モデルとして活躍中。シモノさんは東京工業大学出身のIT畑の方。

「今年、2カ月くらいかけて世界一周してきたんですが、その旅の中で結構長くブラジルに滞在しました」(シモノさん)

この1年で約30カ国を旅したというシモノさんは、中でもいちばんブラジルが気に入ってしまった。

「ブラジルには、まだまだ日本に知られていない面白いことがいっぱいあるなって。僕は情報工学を学んでいた人間。なにかその技術を使ってできることがないかと思っていたところ、もともと友達だったカワンと話しているうちに、アパレル・ブランドのビジネスを一緒に始めることになったんです。カワンも、世間にもっとブラジルの楽しさを広めていきたいと思っていたところだったって」(シモノさん)

ただし彼らが目指しているのは、単なるファッション・ブランドではない。

「一番のテーマは、ブラジルというキーワードで、楽しく、渦を作っていくこと。自分たちも楽しみながら、ブラジルの楽しさを広めていきたいんです」(シモノさん)

彼らの活動は、日本で生活するブラジル人と、日本人との交流や橋渡しにもなっていくだろう。

カワンさんは現在は東京で生活しているが、以前は埼玉在住だったため、近くにあった群馬にも、よく遊びに行っていた。ブラジル人コミュニティと接するうちに、日本とブラジルを近づける役割を担いたいと思い始めたという。

「ブラジリアン・コミュニティの中だけでも生活が成り立ってしまうため、日本の人たちと接点を持たない人、まったく日本語を話さない人も少なくないんです。

コミュニティはもちろんあっていいんですが、せっかく日本にいるんだから日本のことをもっと知ればより楽しく生活できると思うし、お互いがもっと理解し合えば、日本にブラジルのいいところを、もっと知ってもらえると思う」(カワンさん)

カワンさんが日本に来たのはまだ小さかったころ。もちろん、ほとんど日本語は話せなかったという。

「日本語を覚えるのは正直、大変でした(笑)。でも話せるようになって、こうして自分の世界がどんどん広がっていった。そんな僕自身の経験を多くのブラジル人に知ってもらうことで、自分の世界を広げていこうと考える人が、もっと出てくるかもしれない」(カワンさん)

彼らの活動が、さまざまな壁を壊して、ブラジルと日本をより近づけていくことを心から応援したい。

「サンバ」は明日(21日)もブラジルフェスティバル、A15ブースにコラボ出品する(「ブラジルフェスティバル2013 会場マップ」参照)。

(写真・文/麻生雅人)