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経済減速報道の中で本格化する
日本の自動車メーカーのブラジル進出

27th Sao Paulo International Motor Show 2012 - Day 12

8月8日、ホンダは10億レアル(約430億円)投資して、ブラジルに四輪車の新工場を建設することを発表した。15年の稼働を目指しており、年間生産能力が24万台に倍増する。12年13万5000台と380万台のブラジル市場では、3.5%だったシェアをまずは5%以上に高めたいところだろう。

トヨタもすでに、ブラジルに15年をめどにエンジン工場を建設を表明しており、投資額は同じく10億レアルで、年間20万基のエンジン供給を目指しており、今年4%台を維持しているシェアを一気に高める考えだ。

もともとの生産能力が低かった日産自は、2社に一歩先んじた形で、リオデジャネイロ州に26億レアル(約1200億円)と両社の倍以上の額を投じて14年稼働を目指して工場を建設中であり、同じく2016年までにシェア5%台を目標としている。

ただ、当然現在のブラジルのビッグ3といわれるフィアット、フォルクスワーゲン、GMも何千億円単位で投資を続けており、そう簡単にシェアを奪取できるとは限らない。さらに、国産化率に応じた税制なども存在し、先行する欧米メーカーの方が圧倒的に有利である。日本メーカーは各社とも生産増を踏まえて、販売店の数を増やして、シェアアップを目指す構えだ。確かに販売店を増やすのは必須条件ではあるし、それはさほど難しくはない。お金を持っている多くのブラジル人は車好きであり、自動車ディーラーになりたい人は多い。

今後日本メーカーがブラジルで大きなシェアと獲得するには、おそらく次の3つの課題を克服する必要がある。1つ目はいかにティア2レベルの部品メーカーのブラジル進出を促し、国産化率を税制恩典が得られる65%以上に高めるかということだ。これはダイレクトに販売価格に影響する。12年までは欲しいものは多少高くても分割払いでどんどん購入していたが、消費が減速し始めた昨今のブラジルにおいては、価格は重要な要素となる。

2つ目はマーケティングである。12年発売して大ヒットしたヒュンダイ初のブラジルモデル「HB(ヒュンダイ ブラジル)」は、ブラジルに特化したマーケティングの重要性を物語っている。これまでブラジルでしっかりとマーケティングをして、ブラジルに特化した車を出した日本メーカーはないと思う。今後大きくシェアを取るには大事なポイントとなるだろう。

3つは、広義にはマーケティングに入るが、広告・ブランディング戦略である。日本企業の広告はいずれも控えめであり、正反対に大量の広告・ブランディング費を投じている韓国勢に新興国においてシェアも圧倒されている。実は、日本の広告代理店にとっても海外での存在感を高める絶好のチャンスであり、かつ新興国でシェアを増やすには必須のテーマである。今回の日本企業の増産の機をとらえて、日本の広告代理店にもブラジル人をアッと驚かす画期的なプロモーションを提案してほしいところだ。

3社の中で抜け目ないのが、ブラジル出身のカルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)率いる日産自である。単に、リオ州に投資をするだけではなく、同時にオリンピックのオフィシャルカーにもなり、工場稼働とともに強力なブランディングが展開できる仕掛けがなされている。近年ブラジルでのルノーのシェアも著しくアップしており、16年以降は日産+ルノー連合でブラジル・ビッグスリーを脅かす可能性も見えてきている。

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/LatinContent/Getty Images)
写真は2012年11月4日、アニェンビー展示場で開催されたサンパウロモーターショーでのトヨタの展示エリア。アーバン・モビリティ機種のプレゼンテーションも行われた。

ブラジルトヨタは、2012年から現地生産している新興国向けの小型車「エティオス」が好調。同車のブラジル国内のコマーシャルでは、同国の人気ロックバンドのキーマンたちを集めたドリーム・バンドを登場させている。Skank スカンキの Samuel Rosa サムエウ・ホーザ、Pitty ピチ、Titãs チタンスのギタリストTony Bellotto トニー・ベロット、Legião Urbana レジアォン・ウルバナのドラマー Marcelo Bonfá マルセロ・ボンファ、Jota Quest ジョタ・クエスチのベーシスト PJ ページェー。演奏するのはブラジルポップス界の王Roberto Carlos ホベルト・カルロスのヒット曲 「 As Curvas da Estrada de Santos アス・クルヴァス・ダ・エストラーダ・ヂ・サントス(サントス街道のカーブ)」

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