Facebook大国ブラジルで投稿規制令!?

2013年 10月 4日

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サンパウロの裁判所がFacebookに対し、とある投稿を48時間以内に削除するよう求める異例の判決が下したと、「G1」、「Veja」(共に電子版)などが10月3日に報じた。

事の発端は今年の1月、モデル兼テレビ司会者のルイージ・アウテンホーフェンと、その隣人で歯科医のエウデス・ゴンジン・ジュニアとの間に起きたご近所トラブルだった。

ルイージが飼う犬 (ピットブル) がエウデスの敷地内に侵入。彼の子供たちを威嚇したため、エウデスは犬を鉄の棒で殴った。そのことに立腹したルイージは、自分の車でエウデスの家の門を破壊。さらにはFacebook上で彼についての非難コメントを投稿した。

1998年にはミス・ブラジル・インテルナシオナウにも選ばれているルイージ。彼女がそこそこ有名人だったことからこれらの投稿はネットユーザーたちの間で瞬く間に拡散して、エウデスへの攻撃が激化した。身の危険を感じた彼は、このトラブルを裁判へ持ち込んだ。その結果、なんとエウデスを非難する22件の投稿について、Facebookに全て削除するよう判決が下されたというわけだ。

この判決の背景には、ジウマ大統領やペトロブラスが合衆国によるサイバースパイ・プログラムの標的にされたことから、米ネット企業に対する反発がブラジルで生まれていることも、影響しているようだ。

ささいなご近所トラブルからとんでもない判決の前例ができてしまったが、案外、コトの背景は根深そうだ。

(文/柳田あや、写真/Marcello Casal Jr./ABr)