リオの路上に描かれた、謎の4000体の人体シルエット

2013年 12月 4日

リオ路上人体シルエット

12月3日(火)未明、リオデジャネイロ市旧市街区にあるラルゴ・ダ・カリオカにあるポルトガル様式の路上の石畳に、4000体もの人型のシルエットが描かれていたことがわかった。同日「アジェンシア・ブラジル」が伝えた。

この路上画は、ファヴェーラのNGO組織が行う、黒人青少年への暴力の撲滅を訴えるキャンペーンの一環で行われたものだった。同団体は、リオで若くして命を絶たれる黒人男性の数を減らすため、州で年間に起きる殺人事件の数に関心を持つよう訴えている。

NGO団体「ファヴェーラ観測所」のハケウ・ヴィラヂーノ氏によると、2012年には4013件の殺人事件を記録したという。

「私たちは、州で暮らす黒人の青少年たちを苦しめている、死と隣り合わせの生活を無くす透視図を描く道を模索して、さまざまな活動を促進してきました。人間を象ったシルエットは通行人の関心を集めて、討論される場の少ない、私たちの州が抱えている非常に攻撃的な問題を再確認してもらう効果があるでしょう」(ハケウ・ヴィラヂーノ氏)

ハケウ氏はさらに、11月にマドゥレイラ公園で行ったキャンペーンについても説明した。このキャンペーンにも治安活動を行う組織に対する改革の要望が込められているという。

「私たちはそれが、警察機構の抜本的な改革に関する議論であると考えています。この国には、年間5万件の殺人があります。殺人は若者たちに向けられ、中でも中心となって巻き込まれているのが黒人の若者たちなのです。私たちの州の問題は、私たちの国の問題でもあると考えます」

市の提案の基本的な理念は、一般市民の生活を尊重することだという。

「私たちはリオにおいて数々の殺人が、黒人青少年をどう苦しめているか分析しています。もちろん、警察の行動に起因する殺人も含めてです。私たちは警察の行動によって市がもたらされる黒人青年のリスクを確認しています。このリスクは白人青年に比べて4倍となっています」

(文/麻生雅人、写真/Fernando Frazão / Agência Brasil)
12月3日、リオデジャネイロ市セントロのラルゴ・ダ・カリオカの路上