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ブラジルは「景気が悪化している」といえるか?

ブラジル 海外旅行者増

ブラジルと日本を頻繁に往復していると、日本に帰った際に多くの人に、最近ブラジル経済はかなり悪いようですね、とあいさつ代わりに言われることが多くなった。

確かに13年以降、成長に急ブレーキがかかって足踏みが続いており、減速気味ではあるが、単純に「良くないですね」とはなかなか答えにくい。

それは現地の消費は日本のデフレのように低調になった気がしないことと、質問者が本当にブラジルのことを長期にわたってみていた結果、そのようなことを言っているのかが疑問だからだ。

GDP(国内総生産)は一時の伸びはなくなり、中国やインドが同様に、伸び率が鈍化したといわれている中で5~7%台の成長率を目標としているのに比べれば、プラス成長になるかどうかというブラジルは、確かに厳しいといえよう。しかし、単に「とても悪いですよ」というのも本当ではないように感じる。

ブラジルの現在の経済規模や位置づけを踏まえて考えると、また別の姿が見えてくる。

例えばGDPであるが、IMF(国際通貨基金)発表による13年のブラジルの名目GDPは世界第7位であり、ブラジルの上にいるのは、米国、中国、日本、ドイツ、イギリス、フランスだけである。

日本は93年が約4兆4149億ドルで、13年は約4兆9015億ドルと20年間でわずか11%しか伸びていないが、ブラジルは93年ではわずか約4383億ドルだったのが、13年には約2兆2428億ドルと、なんと5倍になっているのである。

これは、成長目覚ましいASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国の合計にほぼ匹敵する規模だ。

ブラジルも日本と同様にGDPのほぼ6割が内需といわれており、ブラジルのGDPがちょうど日本の半分程度なので、日本の消費市場の半分の消費市場がブラジルにはあることになる。

欧米企業や中国、韓国企業は、この5倍の成長期間に大型の投資をして相当稼いだわけだが、その間日本はアジアに向かっており、この成長期をほとんど把握しておらず、日本企業は市場シェアを落としていった。

自動車も同様で、年間販売台数がブラジルは現在世界第4位である。その上にいるのは、中国約2198万台、アメリカ約1588万台、日本約537万台のみで、ブラジルはドイツを抜いて、約376万台であった。ASEANが約358万台なので、1国でASEAN10カ国を上回っていることになる。

ブラジルの経済成長の背景には、人口増も影響している。

84年には約1億3000万人と日本とあまり変わらなかったが、その後10年ごとに2000万-2500万人ずつ増えて、14年現在で2億人を突破し、まだ伸び続けている。日本が1億人をいずれ下回ることを考えると、倍になる日も近い。ブラジルの09年の出生数は約276万人で世界第4位。日本が同107万人なので、すでに2.5倍の開きが出ている。

ブラジル経済は確かに踊り場を迎え、改革を必要としているが、消費市場はすでに巨大な市場となっており、かつポテンシャルも極めて高い。

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/Rafael Neddermeyer/Fotos Públicas)
写真は9月17日、サンパウロ、コンゴーニャス空港。ブラジルでは海外旅行者数が増加。国立個人年金と生活連盟(FenaPrevi)によると2014年上半期に旅行保険が42.9%成長したという

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