ヨーロッパ、ブラジル、ロシアの女性の賃金は不当と国際労働機関(ILO)が公表

2014年 12月 6日

ブラジリア大学の女子大生

[ジュネーブ 5日 ロイター] – 12月4日(木)、国際労働機関(ILO)は世界中で職に就いている女性たちは、平均的に、同僚の男性に比べ、高い教育を受けていて経験もあり生産性が高いにもかかわらず、未だに給料は低いままであると発表した。

38ヶ国を対象に調査を行ったところ、全体的に給与は女性の方が低かった。“男女の賃金差”は依然として、世界中で根強くはびこっている。

賃金の最も差が大きかったのはアメリカ合衆国。同じ仕事をしている男女で、男性が100ドルだった場合、女性は平均64.20ドルだった。この差に関して、同国では生産性、教育、経験に関して大部分の男性の方が女性よりも上回っているためだと説明が可能だという。

しかし、ヨーロッパ、ブラジル、ロシアの場合に関しては、これらの要素で女性の方が男性よりも上回っている。

「格差を生む原因のひとつは差別です」と国際労働機関(ILO)のサンドラ・ポラスキー副事務局長は語った。

「要因は国によって異なりますが、しかしそれでも、差別が要因のひとつであることは確かです」(サンドラ・ポラスキー副事務局長)

調査対象となったヨーロッパの26ヶ国の平均では、女性は男性よりも0.9%高い賃金を得られるはずにもかかわらず、実際には男性よりも18.9%低い賃金しか受け取っていない。

ブラジル、ロシア、デンマーク、スウェーデン、リトアニアにおいては、女性の方が10%高い賃金を得るべきで、スロヴェニアにおいては18.5%高い賃金を得るべきだという結果が出た。

中国における女性と男性の賃金に関しては、女性が0.2%高い賃金を得るべきだが、実際には男性よりも22.9%低い賃金しか受け取っていない。

ロシアとブラジルは、女性が受け取るべき賃金と、実際に支払われている賃金との格差が大きい国という結果となった。

ロシアでは、女性は男性よりも32.8%低い賃金しか受け取っていない。しかし国際労働機関(ILO)による、彼女たちの職務や職場の調査によると、11.1%より多くの賃金を得るべきという結果となった。

(写真/Edilson Rodrigues/Agência Senado)
写真はブラジリア大学の構内