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在ブラジル日系病院が経営大幅改善。安倍首相来伯を追い風に

サンタクルス病院

サンタクルス病院(石川レナト理事長)が本格的な経営改革に乗り出したようだ。

一時は4500万レまで膨らんだ負債は3千万レと3分の2に減り、今年560万レアルを投資して設備の近代化や病室改修によりサービス向上に努めた結果、収益は前年比15%増の1億9100万レアルに上る見込みという。

10年以内に病床数を倍にする「イノヴァ10」も構想中だ。7月に来伯した安倍晋三首相が宣言した「日系病院を日本技術のショーウィンドーに」との方針も追い風となり、進出企業も多大な関心を寄せている。

(12月)8日に同病院会議室で開かれた記者会見で、石川理事長は一年の成果と今後の見通しを語った。

「雪だるま式に膨らんだ」という負債は、銀行との交渉が成功したこともあって2012年から徐々に減少している。経営の安定化や、大型投資による設備・インフラ整備に重点をおいたことが要因となり、信頼回復と生産性向上の道を歩み出した。

昨年の160万レアルを大きく超える560万レアルが今年投資され、手術台、麻酔器、血管造営装置など最新医療機器の購入や、病室の改修、救急診療所の病床数増、リハビリ室の新設、エレベーター設置、壁の塗り替えなど数々の設備刷新が行われた。

停電や水不足に備え、病院の全電気量をまかなう発電機3台も新設したほか、一月間の揚水量560立方米の井戸も施工された。排水処理を除いて、水、電気ともに公的サービスに依存しないことも可能という。

石川理事長は「借金を返済しつつ、もっと銀行の融資を受けて設備投資を続け、競争力をつける必要がある。日本政府や総領事館の力強い支援があり、企業訪問も増えてきた今が好機だ」と意気込んだ。太田レオ・マーケティング部長も「今は信頼回復の時期。障害を克服し、ブラジル社会を代表する病院を目指す」と話した。

今年度の手術数は1万4200件、患者対応数は4万5千件となる見込み。これらの数字は今の設備で対応できる限界に近く、病床増築が必要不可欠という。そのため現在構想中の10年間の長期経営戦略「イノヴァ10」には、病床数を現在の170から340床への引き上げる事業等も盛り込まれている。

また北原アメリコ医長によれば、安倍首相の来伯以来、ほぼ毎週進出企業が病院を訪問している。医療関係に限らずトヨタ、味の素、NECなど多種多様な分野が関心を寄せており、どのような形でパートナーシップを組むかを交渉中という。

同病院では赤字経営や医師協会との不和など経営難が問題となっていたが、12年にNEC・ド・ブラジル元社長の石川レナト氏を理事長に迎え、「人間的な対応サービス」をモットーに職員研修や設備改修に取り組んでいる。

(写真・記事提供/ニッケイ新聞)
写真は左から北原医長、太田マーケティング部長、石川理事長、レオネル・フェルナンデス病院長、ジュリオ・ヤマノ技術部長

※サンタクルス病院
戦前、1939年(4月29日に落成)に完成した日系病院。別名「日本病院」とも呼ばれ日系社会で親しまれてきた。前身は1924年に創設された、在ブラジル日本人慈善協会(同仁会)(同協会は1926年に、現在の呼称であるサンタクルス病院の経営母体であるサンタクルス慈善ブラジル協会に改名、正式な機関として創設された)。

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