ブラジル人の約45%がコンドームを使用しない!?

2015年 01月 29日

厚生省コンドーム配布キャンペーン

性感染症を予防するためにコンドームを使うことの重要性を知っているにもかかわらず、ブラジル人の約50%が、偶発的な性交渉でコンドームを使用していないという調査結果が公表された。現地メディア(「G1」1月28日づけなど)が報じている。

1月28日(水)、厚生省は「ブラジル人の知識、態度、体験(PCAP)」という調査結果を、カーニバル時期のエイズ予防キャンペーンの始動式で公表した。

公表されたのは2013年の調査で、15歳から64歳までの年齢層を含む1万2000人に対して行われたもの。

インタビューに答えた人の94%が、病気を予防するのにコンドームの使用が最良の方法だと知っていたが、2013年に、偶発的に性交渉を行う人の45%はコンドームを使用していなかった。

同様のケースで、2004年にコンドームを使用しなかったのは48%で、2008年にその数は58%に上昇していた。

また3回の調査では、10人以上性的なパートナーがあったと答えた人の数も示された。2004年は19%、2008年は26%、2013年は44%と、この数字は上昇していた。

厚生省コンドーム配布キャンペーン

厚生相によると1980年代以来、ブラジルでエイズは75万7000件報告されているという。コンドームを使用しない人の数が多いことで感染は毎年約3万9000件増加しており、10万人に20.4人が感染している計算になるという。

一方で死亡率は減少している。2003年には10万人あたり6.4人が死亡していたが、2013年には5.7人になった。

アルトゥール・キオーロ厚生相は、カーニバル時期のキャンペーンではコンドームを配布していたがコンドームを使用する人の数はほとんど変わっておらず、今年はコンドームを配布するだけでなくHIV検査の奨励も行うと語った。コンドームは1億2000万個が配布される予定。

検査や治療を奨励することも同キャンペーンの一部でなければならないと大臣は語った。

(文/麻生雅人、写真/Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)
写真は1月28日、ブラジリア。キャンペーンを発表するアルトゥール・キオーロ厚生相とコンドーム配布機