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ハイチ移民、雇用を求めてブラジルから第三国へ

ハイチ移民

ブラジル政府側の特例措置もあって2014年ごろから急増していたハイチからブラジルへの移民、その流れに異変が見え始めた。

ハイチからブラジルに向かう移民の減少だけでなく、ブラジルから出国するハイチ移民も増加しているという。

TVグローボが10月15日(土)、報道番組「ジョルナウ・ナシオナウ」で伝えたところによると、2014年ごろにはブラジルはハイチ人の主要な移民先で、ブラジルに入国するハイチ人は1か月2000人に達していた。しかしながら今では月に30人以下だという。

2010年のハイチ大地震後、8万5000人のハイチ人がブラジルにやってきて、2万人以上がサンパウロのNPO「ピースミッション」を通じて定住の道を開いた。ここでハイチ人は仕事の紹介もうけていたが、今はここで仕事の紹介を見つけるのは難しくなっている。2年前は年間約2700件成約したが、2016年は350件どまりだ。

移民の到着数でいえば2014年は月2000人に達したが、今では月30人に満たない。昨年末以降、ハイチ人の出国数も増えている。ハイチへ帰国するケースばかりではないという。

「ピースミッション」で働くパオロ・パリーゼ神父によれば、出国後の行先はチリのサンチアゴが多く、ボリビアのラ・パス経由またはアルゼンチン経由が多いとのことだ。

「チリの監督当局によれば、チリにやってくるハイチ人は4万人に達していますが、そのほとんどはブラジルからやってきています」(パオロ・パリーゼ神父)

そして、出国後、今までになく厳しい道のりを選ぶ人も増えているという。

「ブラジル南東部のサンパウロ州から北部のアクリ州へ、アクリ州から隣国のペルーへ、ペルーからエクアドルへ、エクアドルからコロンビアへと進みます。さらにコロンビアからパナマへの道が最も厳しく、森の中を2日間歩かなくてはなりません。さらに北に進んで中央アメリカのメキシコを経て、アメリカ合衆国へ入るのです」(パオロ・パリーゼ神父)

南部から乗り入れている北部アクリ行の空の便でハイチ人のグループを見かけないことははないが、インタビューに答えてくれる人はいない。彼らはアクリに着いたらタクシーで国境まで向かうという。

「アメリカ合衆国へ到達するための段取りが彼らの会話のほとんどです。国境の向こうに親族がいる場合は国境をうまく越えられ、そういう人たちの生活は結構順調だそうで、国境を超えることが最大の運試しのようです」(タクシー運転手ジョスエ・リマ・ド・ナシメントさん)

アメリカと国境を接する、メキシコ・ティファナの教会で登録されているハイチ人は5000人を超えるとのことだ。

ブラジル在住5年でほぼ完ぺきなポルトガル語を話すジョゼフ・バギートさんは、たとえ仕事がなくてもブラジルを出国してアメリカ合衆国を目指すようなリスクは冒さないという。

「生死をかけて、ですよ? どんな冒険も死んでしまっては意味がないし、とても危険な計画だと思います」(ジョゼフ・バギートさん)

イヴ・フラリサンさんもブラジルにとどまることを選んだ一人で、ハイチにいたころは数学教師をしていた。ブラジルでは3つの大学入学試験に合格し、今後はエンジニアリングを学べる仕事に就きたいと思っている。

「学費を払う、それだけのことです。当面は就業を目的とした勉強にはなりますけどね」(イヴ・フラリサンさん)

(文/余田庸子、写真/Angela Peres/Secom Acre)
写真は2013年4月、アクリ州。この当時はハイチからの移民が続々と到着していた

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