日立がブラジル リオデジャネイロで「Hitachi Social Innovation Forum」を開催

2013年 11月 8日

11月7日、日立グループは、ブラジルにおける事業拡大に向けて、11月7日にリオデジャネイロ市において、グループ総合展示会「Hitachi Social Innovation Forum」を開催することを発表した。

このフォーラムでは、情報・通信システム、電力システム、鉄道システム、スマートグリッド関連などの日立グループが強みとする社会インフラシステムをはじめ、ヘルスケア、自動車機器、空調機器などの幅広い製品や高度な技術を、ブラジルの顧客、ビジネスパートナーなどに紹介するという。日立はブラジルでの事業の拡大を狙う。

現在、日立は、2015中期経営計画において、社会イノベーション事業をグローバル市場で展開することに注力しており、2012年度に41%であった海外売上高比率を2015年度には50%超に高める目標を掲げているという。

ブラジルにおいては、今後2015年度までに約240億円の投資を行い、社会イノベーション事業の強化をはじめ、地上デジタル向け放送機器、建設機械関連事業などの営業力の強化や現地生産体制の構築、現地パートナーとの連携などを通じて事業拡大を図る予定。2015年度には連結売上高を1,200億円に拡大することを目指す。

日立は、2012年7月、多くの顧客、政府関係者、ビジネスパートナーの出席のもと、日立独自のフォーラムを開催するなど、ブラジル市場におけるプレゼンスの向上を図っているほか、事業拡大に向けたさまざまな施策を展開してきた。

同社によると、2011年10月には株式会社日立国際電気がブラジルの放送用送信機メーカーであるリネアール社の株式100%を取得、さらに同月には、日立建機株式会社がディア社と油圧ショベルの製造・販売の合弁会社を設立した。この合弁会社は、2013年9月に1号機を生産し、11月より順次量産を開始する予定。

また、2012年8月にはブラジルの浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO*1)向け遠心圧縮機4基と逆浸透膜法海水淡水化装置(RO*2装置)2基を初めて納入。

2012年12月には、石油・ガスプラント向けの事業拡大を図るため、株式会社前川製作所と合弁で、ブラジルにおける産業機器メンテナンスサービスを行う「HITACHI-MYCOM Maintenance &Solutions Ltd.」を発足させているという。

2013年6月には農鉱業へのIT活用や社会インフラシステム事業の拡大を図り、ブラジル研究所を開設した。

今後も日立は、モノレールなどの鉄道事業における受注をめざすほか、ストレージソリューション事業をはじめとする情報・通信システム事業における営業力の強化を図るなど、社会イノベーション事業拡大に向けた施策を実行していくという。

*1FPSO:Floating Production, Storage and Offloading system
*2RO:Reverse Osmosis

(文/麻生雅人)