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ブラジルの隣国ウルグアイでマリファナ売買を合法化。
国内でも賛否渦巻く

マルシャダマコーニャ

ブラジルと国境を接する南米の国ウルグアイの議会が、12月10日(火)、大麻(マリファナ)の生産、消費、販売の合法化法案を可決したと同日付「G1」、「アジェンシア・ブラジル」(共に電子版)などが伝えた。法案は120日後に施行される予定。

この物議を醸す法案はウルグアイのホセ・ムヒカ大統領の支持の下ですでに下院では可決されていたが、続いて上院でも賛成16、反対13で可決された。一国の政府による大麻の生産や販売の合法化は世界初の試みとなるという。

同国では15~65歳の人口の5%にあたる2万8000人が1日に1本、大麻を吸っており、ウルグアイ薬物審議会によると、大麻の年間販売量は昨年の倍の伸びで22トンになっているという。

ウルグアイでは40年前からコカインやクラッキなど強力な薬物も含めて、ドラッグを自分で消費するだけでは犯罪にはならず売買を行うことは違法だったという。

同法案を作成したフリオ・バンゴ与党議員は「消費は許可されていて販売が禁止されているという矛盾は、犯罪組織のために市場を用意して、ドラッグの売買にコントロールがきかなくなっていました。麻薬密売人に利益をもたらすだけでした」と「アジェンシア・ブラジル」に語ったという。密売人たちは大麻の売買で、年間400万USドルの利益を上げていたとみられている。

バンゴ議員によると、対策には、大麻を禁止するか、売買を許可するか、二つの方法が考えられていたという。

「麻薬密売人たちに利益をもたらすのではなく、これを州がコントロールしたほうがいいというのが(法案の)考えです」(バンゴ議員)

ウルグアイでは、アルコール、タバコ、向精神薬についで大麻は4番目に多く摂取されているドラッグだという。

「この4つとも身体にいいというわけではありません。だからどんどん吸いましょうと言っているわけではありません。私たちがいっているのは、大麻の販売も他の3品種と同じように扱う、という話です」(バンゴ議員)

新法案によると、ウルグアイ国民は認可された薬局で一か月に40グラムまで大麻を、密売人の販売価格より安く買うことができる。ただし、薬局で購入するためには事前に政府への登録が必要となる。

栽培に関しては個人の場合、6株までが認可されるという。また、登録すれば40ヘクタールまでの規模でも大麻を栽培できるようになる。これは国内消費には十分な量だとみられている。これには、吸引による消費だけでなく、科学的な研究、医薬用のものも含まれる。

しかし、今回の法案は国内でも賛否を含めさまざまな意見が飛び交っている。シフラ社がとった統計によると、ウルグアイ人の63%が反対しているという。

「私自身は法案自体には賛成ですが、登録はしたくありません。姓名などを登録することで大麻を吸っていることを公表することになります。その情報がもとで職場をクビにされることだって起きえますからね。そういう観点で同法案に反対している人は少なくない」(消費者のひとり、クリスチャン氏)

「私は大麻を吸うことには反対ですが、売買を合法化する考えには賛成です。これまでは大麻を買おうと思うと違法な場所に行かなければならないでしょうし、そこには大麻だけでなくクラッキなどより危険なものも同時に扱われているでしょうから」(二児の母、エステラ・マルチネスさん)

「病気を治すための薬を売る薬局で、体によくないとわかっているものを売ること自体、信じられないことです」(薬局勤務、アナ・マリア・モデナさん)

議員の中にも反対意見はある。

「ムヒカ大統領自身、実験をしているのだと思います。しかし実験とはいえ、結果が失敗だったら被害をこうむるのはウルグアイの人々です。さらに言えば、ブラジルやアルゼンチンなどの隣国も被害をこうむることになるかもしれません。両国は、ほかのやり方で麻薬密売をなくそうと努力しています。密売をなくすためには、ウルグアイが独断で何かを行うのではなく、隣国とも協調して行うべきではないでしょうか」(ヴェロニカ・アロンソ議員)

(文/麻生雅人、写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)
ブラジル国内でも大麻合法化を求める声はある。写真は2013年6月8日にサンパウロ市パウリスタ大通りで行われた大麻の法律を見直すことを要求するデモ「マルシャ・ダ・マコーニャ(マリファナ・マーチ)」の模様。マリファナ・マーチは1998年ころから世界各国で行われている

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