ブラジルとの文化交流はかって20年。アマゾン民族館・自然館が惜しまれながら閉館。
2014年 04月 3日アマゾン民族館(伊勢原町)とアマゾン自然館(越中山)。山形県鶴岡市で運営されてきたふたつのアマゾン地方文化を伝える施設が、3月30日(日)をもって共に閉館した。
文化人類学者で館長の山口吉彦さんが、主に1970年代からアマゾン川流域の部族と生活を共にして収集した民族資料約1万点、自然資料約2万点を、それぞれ両館に収蔵していた。
アマゾン民族館は、出羽庄内国際交流財団が運営する「出羽庄内国際村」に併設されていた文化施設。アマゾン自然観は、旧朝日村の故大滝芳雄村長が村おこしのために設立したという施設。人々に環境への関心を深めてもらおうと、平成3年に開館したのだという。
アマゾン関連のコレクションとしては国内最大規模であり、環境破壊や部族の絶滅が進むブラジルにおいても大変貴重な収蔵品となっている。しかし、開館後20年、入館者数の減少から行革の一環で両館の閉館が決まった。
館長の山口さんはアマゾン先生として親しまれ、アマゾンに棲む様々な部族たちの自然と共に生きる姿を資料展示することで、文化の多様性、異文化理解を伝え続けてきた。「われら地球家族」というメッセージを掲げ、「庄内国際青年祭」(1985年)を実施して外国人留学生がホームステイで市民と交流するなど、草の根で地域の国際交流に貢献してきた。
山口さんはこれからもグローバルな人材育成と文化交流を図って行くとのことで、収蔵物の管理は鶴岡市が3年間行うことが決まっている。収蔵物の引受先は未定で、要望があれば巡回展も行う。巡回展に関するお問い合わせはinfo@nobraiz.comまで。
(写真・文/平松伸行)
写真は3月29日。アマゾン先生こと山口吉彦さんは写真上の一番右