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男女の力関係は何で決まる?

ブラジル男5

日本では、「経済力が理由で離婚したくても、できない」という話、割と聞きますね。ブラジルは、結婚すると女性が家庭に入る、という社会ではありません。比較的裕福な家庭では、家政婦やベビーシッターを雇って、母親になっても、身綺麗にして、外での仕事に戻るのが一般的です。

そのため共働き夫婦の場合、経済力はあまり離婚の歯止めにはなりません。では、一方が仕事をしていない場合はどうでしょうか? 今日もまた、身分違い(?)の恋に落ちた男性の話しをします。

エウジェニオくんは裕福なお家に育ったお医者さん。でも、彼は前にお話ししたマリオくん(第3回ブラジル版「悪女について」)とは違い、眉目秀麗、文武両道、もちろんお似合いのカワイイ彼女もいる、というお人です。

医者としても前途有望で、ある日、アメリカ合衆国の有名な病院に研究医として招聘されました。これを期に彼はつき合っていた彼女にプロポーズ。晴れて新生活を踏み出すはず・・・だったのに、なんと彼女の返事は「ごめんなさい」。しかも理由が、彼の親友に乗り換えたというではないですか・・・。

傷心のエウジェニオ。「全てがイヤになったよ・・・」と一旦は閉じ籠もったものの、ここで 元カノと元親友がつき合っているのを目にするよりは、北米に行ってしまった方が良い、と思ったのでしょう。「もうこんな街、出てってやる!」とばかり、わざわざ遠くの街にあるアメリカ合衆国大使館で、就労ビザの申請をしました。

ビザ取得インタビューの日。大使館の列で「ディズニーランドに行くの~♪」と観光ビザの申請に来ていた女子と出会います。なかなかカワイイ、と話してみると、「アメリカ初めてなの」「知り合いのベビーシッターとして行くの」「すごいわね! 住むなんて!」「英語もできるのね!」など、目をキラキラさせて、これまた可愛いことを言うのです。いい気になって、じゃあ、ビザが出たらこの街に戻って来るから、その時会う? なんて誘ってみると、「絶対、連絡してね!」と・・・。

その後、彼女と再会を果たしたエウジェニオくんは、 いままでつき合ってきた女の子たちとは違う彼女の台詞にすっかり気をよくします。

これまでの相手は皆、バリバリ進学したキャリア志向で、自分と張り合うくらいだったのに対し、彼女は、「この州から出たことがないの。大使館に行くのもドキドキしたわ。ディズニーランドなんて夢みたい!」「勉強、したことないわ。あなたみたいに頭のいい人って本当に尊敬する~」「工場で働く兄2人と両親と5人で暮らしているの。狭いけど、しょうがないわ」「旦那さんが養ってくれたら最高!」と、もう彼の自尊心をくすぐる新鮮な台詞をたくさん言うのです。

で、「そうだ、一人で行くより二人で行った方がいいな」と安易に、家族にも内緒で籍を入れて、彼女を合衆国に同伴したのでした。

家族は大切なエウジェニオ君が、大使館の列で出会った女と密かに電撃結婚した! と知って大ショック。「自慢の息子を見せびらかす、派手な結婚式の企画&実行ができないなんて! しかも相手は貧しく学もないなんて!」(エウジェニオ母の嘆き)

合衆国で暮らし始めた二人・・・。エウジェニオ君は、彼女も「夢のアメリカ」にすぐ馴染むだろう、と思ったようですが、英語もなかなかできるようにならないし、友達もできない。すっかりホームシックに掛かってしまいました。じゃあ、と子供を作ったものの、既に時遅し・・・。彼女は、英語の勉強などそっちのけで、「できるだけ得をする離婚計画」を練り始めていたのでした。

計画1:自分の家族の近くに、怪しまれずアパートを購入
計画2:そのアパートに最新家具、電化製品一式を揃える
計画3:息子とアパートに留まり、アメリカ合衆国に戻らない(⇒離婚へ)

まず1は、「ねえ、里帰りするたび、ホテルに泊まるの、もったいないと思わない? 息子のミルクや離乳食もホテルだと不自由だし・・・アパートは、使わない時貸せば、投資にもなるでしょ?」と説得。
2は、「ねえ、アメリカの家具とか電化製品って、ブラジルの半分以下の値段なのよ! あのアパートに買って帰った方が、経済的よね!」と説得。
3は、帰省時に、急に「私は仕事もしてないから、もう少し子供とゆっくりして行くわ。あなた、先にアメリカ帰っていいわよ」と実行。
・・・で、今もこのアパートに暮らしています。

何も知らず、合衆国に戻ったエウジェニオ君。「もう、1ヶ月だよ、まだ帰って来ないの?」と問い合わせると「アメリカ、行きたくないの。離婚しても構わないわ」と返事される始末。「そりゃないだろう!」と 、迎えにいくも、屈強な2人の兄が「妹はここにいたいと言っている」と固くガード。

すっかり、弱い立場になってしまいました。

彼の両親は、「あんた、騙されたのよ」「孫、とられた」「だからどこの馬の骨とも知れない女はダメだ」などと、責める、責める。

一人、合衆国で暮らすエウジェニオ君。将来を約束された、稼ぎもいい仕事を捨てて、彼女のいる田舎町に行くのか? エリートにそれが出来るか?と、私も見守っておりましたが、全く動きはありません。合衆国に女の影はなく、たまの休みに妻と息子を訪ねる暮らし。しびれを切らした彼の父親(これも成功した医者)が、サンパウロの病院の仕事を斡旋するも、無視して合衆国に留まります。

これは、もう離婚か、いや実はゲイじゃないのか、と囁かれる一方、妻と息子を訪ねると、一緒の部屋に寝泊まりしているという情報も入り・・・(はい、黙っていても入ります)。

そして、つい最近、動きました! なんと、彼は、妻と子供の住む街から通える州都にある病院に就職したのです!

正直、「いつまでも、はっきりしねぇ奴だなぁ」と思っていましたが、キャリアと家庭、両方手にできるよう、辛抱していたのですね。まあ彼女の「無職で迎えに来ても、相手にしませんからね」オーラを感じていたのかも知れませんが。威張れる相手だから選んだのでは、と思いきや、すっかり彼女の言いなりなのが、面白い。これからも温かく、見守ろうと思います。

(文/東リカ、写真/Claudiana2008)

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著者紹介

東リカ Rika Higashi フリーライター/ビジネスコーディネーター。2007年よりサンパウロ在住。ブラジル生まれの娘2人&ブラ夫との4人暮らし。広告代理店にてビジネスコーディネーターを務めながら、ファッションショーの取材をはじめ、ファッション・アート・建築・グルメ・観光などブラジルカルチャー情報を日本語で発信中。伊勢丹百貨店「アブラッソス・ド・ブラジル」HPにも寄稿(http://www.miguide.jp/brasil2014/)。ブログ「サンパウロ日誌」http://rhigashi.blogspot.com.br/