ペルナンブッコ州の軍警察ストライキ終結へ。ストの間、同州では27件の殺人事件

2014年 05月 18日

5月13日(火)から警察のデモが行われていたペルナンブッコ州で、警察官や消防士による独立委員会が5月15日(木)の夜、軍警察によるデモの集結を公表した。この時点でペルナンブッコ州政府による正式な発表はまだない。

同委員会の面々はヘシーフィ(レシフェ)市の旧市街区にあるペルナンブッコ州政府の行政本部カンポ・ダス・プリンセーザス宮殿の前に集まり、デモの終結を宣言した。しかし一部のデモ続行支持者からはブーイングが浴びせられた。

今回のストライキを通じて、軍警察のための病院の整備、危険手当の見直し、昇進制度の見直しを7月までに行うことがペルナンブッコ州立法議会(ALEPE)で合意されたという。ただし警察側が訴えていたのは18項目で、残りの案件に関しては2015年1月に話し合いがもたれることが決められた。

警察の代表ジョエウ・マウリーノはストの集結に関して「これ以上ペルナンブッコの社会に被害をもたらし続けるわけにはいかないから集結することにした」と語ったという。同日夜にも軍警察は路上勤務に戻る模様。

軍警察のストライキによる混乱を受けて15日(木)、国家公安部隊と陸軍の軍隊が派遣された。法務省は、状況が正常化するまでは、軍隊や公安部隊を常駐させるとしている。

José Eduardo Cardozo ジョゼー・エドゥアルド・カルドーゾ法務大臣は「平和を維持するためなら国は手を尽くします。市民が被害を受けたりパニックに陥れられないようにしなければなりません」と語った。必要とあらば海軍でも空軍でも投入するという。

また、ブラジルには様々な警察組織があるが、軍警察以外の警察組織が軍警察の代わりに治安維持に当てっているという。ヘシーフィ市などでは市の文民警察もパトロールを強化。内陸部などで特殊任務に就いている半乾燥地帯における独立作戦チーム(CIOSAC)は軍警察の管轄ながら、ストには参加しなかったため、治安維持に協力。連邦高速道路警察も、治安維持活動に当たっている。

14日(水)には国道101号線沿いの自動車関連店を襲った9人の強盗を連邦高速道路警察が取り押さえた。

15日(木)には同エリア内のパウリスタ市で商店の破壊や盗難があった。半乾燥地帯における独立作戦チームの捜査で、盗まれた電化製品や金庫が家屋の屋根裏や露天などに隠されているのが発見されたという。

ストが行われていた間に、盗み、破壊行為、拳銃所持などによる逮捕者は234名で、多くは現行犯だったという。また13日(火)~15日(木)に同州で起きた殺人事件は27件だったとヘシーフィ市文民警察のOsvaldo Moraisオズヴァウド・モライス署長は公表した。

犯罪が多く発生したのはヘシーフィ市を含む14の行政区からなるグランヂ・ヘシーフィと呼ばれる一帯。ストの間は街の商店の多くは店を閉じ、私立・公立の学校、大学は休校となった。会社も終業時間を早めるところがあった。道に出る人も少なく車の交通量も少なかったという。

(文/麻生雅人)