整形大国ブラジル。手術件数でアメリカ合衆国を抜き世界第1位に!

2014年 08月 2日

リオのカーニバル ダンサー

「“As feias que me perdoem, mas beleza é fundamental そうでない人には悪いけど、美は基本なんだ”」。

詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスが残した有名な言葉が、まさに今のブラジル人の心にピッタリかもしれない。そう記しているのはブラジルのメディア「エザミ」のジャーナリスト、マリーナ・ピニョーニさん。

ブラジルは美容整形大国として知られていたが、手術件数はアメリカ合衆国に次いで世界2位だった。ところが、それまで1位だった合衆国を上回り世界でもっとも整形手術を行う国になったと、同メディア(7月30日づけ)が報じている。

2013年にブラジル国内で行われた美容目的での整形手術は、合計149万件にものぼるという。

これは、世界で行われた整形手術1,150万件のうちの12.9%がブラジルで行われていることを示し、10件の手術のうち1件はブラジルで、という計算になる。

また、ブラジルとアメリカ合衆国の2国だけで、すべての整形手術のうちの約3分の1に相当する件数が行われており、3位につけるメキシコ487,000件とは大きく引き離しているという。

国際美容外科協会(ISAPS)が実施した最新の調査によると、過去1年間にボトックス注射などの非外科的処置も含めれば、世界で2,300万件以上の処置が行われたという。

さて、「エザミ」に掲載されたブラジルでの手術内容を見ると、国内のクリニックでもっとも件数が多い手術は脂肪吸引で、世界的に人気の高い豊胸手術よりも需要があるようだ(下記)。

<ブラジル国内での整形手術と件数>
脂肪吸引 227,896件
豊胸 226,090件
バストリフトアップ 139,835件
腹部たるみ切除 129,601件
まぶたたるみ切除 116,849件

一方で、専門医師の数は合衆国よりも少なく、一人の医師がよりたくさんの手術を行ったことになる。調査によると、全体の15.2%はアメリカ合衆国の医師であるのに対し、ブラジルの医師は13.6%にとどまった。

下記は、2013年のブラジルとアメリカ合衆国の手術件数の比較。
   
鼻の整形: ブラジル77,224(1位) アメリカ45,998(3位)
腹部のたるみ切除: ブラジル129,601(1位) アメリカ119,961(2位)
豊胸: ブラジル226,090(2位) アメリカ313,703(1位)
脂肪吸引: ブラジル227,896(2位) アメリカ235,814(1位)

9月19日~22日には、第22回国際美容外科協会(ISAPS)会議がリオデジャネイロで開催される。世界一の美容整形大国に各国の専門家が集い、最新技術の報告などを行う。

(文/柳田あや、写真/Getty Images)
写真は2014年3月3日、リオデジャネイロのカーニバル。ウニアォン・ダ・イーリャの行進。カーニバルに出場するダンサーの多くも美容整形を受けているという