第2期ジウマ政権の経済スタッフ、財政支出の抑制案を提示

2015年 01月 7日

レヴィ、バルボーザ

2015年度の予算案がまだ承認されていない中、経済政策における信用を取り戻すことを最大の課題とする第2期ジウマ政権の経済スタッフは(1月)6日、新たな財政支出の抑制案を打ち出し、各省や各庁の支出を抑える意向を表明した。7日付伯字紙が報じている。

予算承認までの財政支出抑制案は5日夜、ジョアキン・レヴィ財務相、ネルソン(ネウソン)・バルボーザ企画相、アロイージオ・メルカダンテ(メルカダンチ)官房長官からなる、予算審理共同会議で話し合われた。

連邦政府の経済スタッフは現在、「基礎的財政収支の黒字目標遵守」を最優先事項としている。基礎的収支の黒字目標はジウマ政権になってから1度も守れておらず、14年度の基礎的収支に関しては、11月の時点で196億レアルの赤字を計上している状態だ。

そういう事情の中、連邦政府としては国際的な信用回復の意味も込め、15年の基礎的収支黒字目標を「国内総生産(GDP)の1.2%分」とし、連邦政府で553億レアル、州と市で100億レアルの黒字確保を目指している。

レヴィ財務相からすれば、連邦政府が基礎的収支の黒字目標達成することによって国内外の信用を回復させ、企業からの投資の活性化につなげたいところだ。

その基礎的収支の黒字目標遵守の対策として、財政支出の切り詰めは大きな意味を持つ。

現在、新経済スタッフは、2015年度の予算案に計上されている800億レアルの投資についても、その3分の1にあたる270億レアル分を削るべく動いている。

近日中に大統領令として発表される予定の財政支出抑制案では、人件費などの差し止め不能な支出以外の各省庁の支出について、1カ月分の支出の上限を、年間予算額の18分の1もしくは20分の1に抑える意向だ。

通常なら、予算案が承認されていない場合は、差し止め不能な支出以外の経費に関する各省庁の月間支出の上限は年間予算の12分の1と設定されている。今回の支出抑制案はこの上限をより小さくすることで、予算案承認前の支出を制限することが目標だ。政府側は3月までに予算案を承認させたい意向だ。

大統領令は7日にも発令される予定で、ジウマ大統領も、バイア州での休暇を1日早めに切り上げ、6日にブラジリアに戻ってきた。

連邦政府はこの他にも既に、180億レアルの支出削減のため、失業保険や給与の前借、年金受給者が死亡した場合の遺族への年金支払いなどの基準を見直している。

予算カット案確定前の「プランB」としての増税も既に検討中だ。増税対象として有力視されているのは2012年に0%になった燃料への経済支配介入納付金(CIDE)の復活で、連邦政府はこれに関する発表を近日中に行う意向だ。

社会統合基金(PIS)や社会保険融資納付金(Cofins)の統合、簡便化も確実化されている他、アルトゥール・キオーロ保健(厚生)相が保健部門で財源確保のための増税をほのめかしている。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Wilson Dias/Agência Brasil)
ジウマ第2期政権の経済スタッフ。ネウソン・バルボーザ企画相(中央)、ジョアキン・レヴィ財務相(右)