猛暑で電力需要増大。10州と連邦直轄区で大規模計画停電も
2015年 01月 22日(1月)19日に摂氏36.5度と観測史上6番目の暑さを記録したサンパウロ市では、暑さによる電力需要の増加と送電システムの不具合による停電が起こり、地下鉄4号線の運行が一時止まり、1万8千人の足に影響が出た。
車内の冷房も止まり、体調を崩す人も出る中、乗客は非常扉から脱出し、最寄の駅まで徒歩で行く事を余儀なくされたと20日付伯字各紙が報じている。
電力需要の増大を受け、全国電力システム運営機構(ONS)は19日午後2時半頃、各地の電力供給委託会社に利用者への電力供給量を下げるように命じた。
これにより、連邦直轄区と10州(サンパウロ、リオ、ミナス、エスピリト・サント、ゴイアス、パラナ、サンタカタリーナ、マットグロッソ、マットグロッソドスウ、リオグランジドスウ)では計画的な停電が引き起こされた。
大サンパウロ市圏では、地下鉄4号線だけで1万8千人が足止めを受けるなど、200万人がこの停電の影響を受けた。
ONSは文書で、停電は北部、北東部から南東部への送電に制限が加えられたこととピーク時の電力需要増加が重なったことで起こったとしている。
一方エドゥアルド・ブラガ鉱山動力相は、広域停電は国営企業フルナス社の送電システムの故障が原因で、ピーク時の電力需要の増加は関係がないとし、「フルナス社の設備上の問題だ。それがなければ停電も無かった。先週の電力需要ピーク時も停電は起きなかった」と述べている。
電力不足はジウマ大統領の懸念材料の一つであり、大規模停電を「重大な問題」ととらえた同大統領はブラガ鉱山動力相に電話でいらだちをぶつけ、釈明を求めた。
原因をフルナス社の送電系の不備に求めたブラガ鉱山動力相ではあるが、ONSのみが事実関係を明らかにできるとし「ONSに技術面での説明を求めている。設備の故障がどのように送電に影響を与えたのか、知りたいものだ」と答えた。
ONSによると、19日午後のピーク電力需要で全伯の送電網の電圧が変化し、国内11の発電所の発電が停止した。
全伯でのブラックアウト(停電)を防ぐため、ONSは南部、南東部、中西部への電力供給を引き下げたが、この影響は5%以下だったとしている。
ジウマ大統領は自政権第1期から大規模停電 などのエネルギー問題に頭を悩ませており、電力消費を削減することなく同種の問題の再発を防ぐよう命令を下した。酷暑も続き、電力需要の高い状態が続く中、政府の専門家全員を再発防止に差し向ける事を決定した。
(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Rafael Neddermeyer/Fotos Públicas)
1月19日、サンパウロ市。パウリスタ大通りの温度計が38度を示した