ブラジルの全州と連邦直轄区でジウマ大統領と汚職への抗議デモ。サンパウロでは100万人が参加

2015年 03月 15日

ジウマ抗議デモ

3月15日(日)、予告されていたとおりブラジルの複数の都市で、ジウマ大統領と政府の汚職に抗議を行う大規模デモが行われた。デモは17州と連邦直轄区ではじまったが、最終的には全州で行われた。現地メディア(「エスタダォン」、「G1」、「オ・グローボ」)が伝えた。

ブラジル各地でデモがはじまったのは15日の午前中から。snsでの呼びかけに応じた人々が続々と街に繰り出した。

サンパウロ市では、デモが始まったばかりの頃はサンパウロ美術館前には約9000人の参加者が数えられていた。やがてパウリスタ大通りが人々で埋め尽くされる大規模なデモとなり、9台のサウンドシステムを乗せた大型車が繰り出した。軍警察によるとこのエリアのデモの参加者は午後3時40分近くには約100万人にも膨れ上がっていたという。これは国内最大の規模とのこと。

軍警察は午後2時40分の時点ではデモの参加者は約24万人とアナウンスしていたが、午後3時5分ごろの発表では約58万人と発表されていたが、3時40分には約100万人と発表された。混乱をさけるため、トリアノン駅は閉鎖せざるを得なかったとのこと。

ジウマ大統領への抗議デモ

抗議の意を示すため、ビジネスウーマンのジュリアーナ・イセンさん(36)はパウリスタ大通りで服を脱いでトップレスになった。社会活動団体モヴィメント・ブラジル・リーヴリはジウマ大統領の弾劾を訴えたという。

またデモ隊は、80年代のテレビシリーズ「パワーレンジャー」のテーマ曲の録音を流し、曲に合わせて「弾劾だ! 」などと叫んだ。

デモ参加者の多くは黄色、緑、青とブラジルの国旗にあるカラーの衣裳を身につけていたり、顔までこの色で塗っていたという。ピエロの鼻をつけた参加者も少なからずいた。行進では無数のブラジル国旗が振られ、ブブセラが鳴らされた。

人々は汚職とジウマ大統領への抗議のメッセージを記したボードや横断幕を手に行進。基本的には平和的な抗議デモで、子どもからお年寄り、家族連れまでが参加した。一部、スキンヘッドの集団が、爆発物などの入ったリュックサックを保持していたため警察に身柄を拘束された。

またデモの動きは国外のブラジル人コミュニティにも飛び火、アメリカ合衆国のマイアミとニューヨーク、オーストラリアのシドニー、ポルトガルのリスボン、英国のロンドンでもデモが行われた。

(文/麻生雅人、写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)
3月15日、大規模なデモが行われたサンパウロ市のパウリスタ大通り