2017年 02月 5日 01:57
1月30日、ブラジルへの帰国と同時に連邦警察に拘束された元大富豪アイキ・バチスタ氏。容疑はセルジオ・カブラウ前リオデジャネイロ州知事に対する贈賄及びマネーロンダリングだ。
拘束されたバチスタ氏は頭髪を短く刈られ、現地紙面に姿を現した。
贈収賄捜査ラヴァ・ジャット(洗車)作戦のうち、カブラウ前リオ州知事をめぐる贈収賄ルートを捜査する作戦「エフィシエンシア」の一環として、バチスタ氏は拘束された。
今や囚われの身となったものの、かつて大富豪として知られたバチスタ氏は今でも多くの会社を所有している。
その中の一つ、鉱山採掘のCCX社もバチスタ氏によって設立され、同氏の保有する企業集団「グルーポX(Xグループ)」を構成している。
グローボ系ニュースサイト「G1」が2月3日づけで伝えたところによると、CCX社が2月3日、拘留中のバチスタ氏から取締役を退くという辞任届を受け取ったという。辞任日付は1月31日となっている。
CCX社の経営陣は満場一致でこの辞任を受け入れたという。
「バチスタ氏のポジションはしかるべき時が来るまで空席といたします。当社は運営面でも金銭面でも空席によって影響が出ないようあらゆる手を尽くす所存です」(CCX社広報)
バチスタ氏の同社に対する出資比率は56.22%。2013年、同社の最大の投資先、ポルト・スデスチ社の持ち分65%をインパラ社、ムバダラ社に売却している。またグルーポXの中でも、MMXミネラサゥン・イ・メタリコス社とMMXコルンバ・ミネラサゥン社は5億レアル(約180億円)の負債を抱えた状態のため、法的整理に入るという。
オギパール(旧称ODX)、OSX、MPX(現在のエネーヴァ)、MMX、プルーモ(旧称LLX)、CCX社についてはバチスタ氏は株式を所有し続ける。ただし、債務返済計画の見直しまたは事業再構築のさなかであることから、バチスタ氏の会社に対する影響力は限定的とみられる。
(文/原田 侑、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
写真は1月31日、リオデジャネイロ。連邦警察に拘留中のアイキ・バチスタ氏
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