ブラジルで犬・猫用の医療保険サービスが盛況
2017年 04月 25日なかなか不況から抜け出せないブラジルだが、ここ10年、ペット関連産業は手堅い成長を見せている。ペット用衣服をはじめ、ケーキやアイスクリームなどの食品、クッキーに似せて作った薬など、日々新しいサービスが生まれ、定着していく。
TVグローボが4月16日、経済情報番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」で伝えたところによると、ペット関連産業についに医療保険サービスが出現したという。
この稼業を始めたサンパウロ在住の起業家、ルイス・ジェノーヴァさんとレオナルド・ハファエリさんが着想を得たのはヨーロッパを旅した時だったという。
1年の起業準備期間を経て、「アミーゴ・ペット・アシスト」は開業した。
「私たちはブラジルに戻ってきて市場調査をしました。ペットに対する支出は年間150億レアル(約51兆円)以上にもかかわらず、保険がカバーするのはたったの5%でした」(ルイスさん)
成長余力の多い産業であることを確信した二人は開業を決意し、初年度に2万契約を締結した。
ペット市場のターゲットは7400万匹だが、今後ますます増えていくだろうと見ている。飼い主たちはペットの健康維持にはお金を惜しまない。
「うちはペットに月2000レアル(約6万8000円)払っていました」(顧客のジュヂゾン・メンドンサさん)
アミゴー・ペットが提供する保険のプランは2種類で、ベーシックプランは月39.99レアル(約1500円)でペットの輸送、救急対応、入院、手術、検査、飼い主が不在の間のペットホテル代をカバーする。もう1種類は月89.90レアル(約3400円)でベーシックプランに出産、去勢手術、葬式代が追加される。
ここの商品が特徴的なのは、アミーゴ・ペットが認定した動物病院から選ぶこともできるし、すでにかかりつけの病院がある場合はその病院を選ぶこともできる点だ。
「当社は2016年、個人様および団体様と2万契約を締結し、20万レアル(約760万円)を売り上げました。2017年中には個人様・団体様と10万件の契約を締結できるとみています」(レオナルドさん)
ルイスさんとレオナルドさんは次の展開にも目を向けている。
「旅行保険も扱っています。この保険を契約すると、飼い主様が旅行中にペットに何か問題が起こった場合は私たちが対応いたします」(レオナルドさん)
わが子同然のペットを安心できる場所に預け、自分の人生も楽しむ・・・このような「いいとこ取り」商品こそが今後のブラジル経済をけん引していくのかもしれない。
Amigoo Pet Assist(アミーゴ・ペット・アシスト)
電話:0800 717 3333(24時間対応)
ウェブサイト: www.amigoopet.com.br
Email: contato@amigoopet.com.br
(文/原田 侑、写真/麻生雅人)
写真はサンパウロ市内、犬を自由にさせることができる市民公園