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日本―ブラジル この異常に暑い夏、いろいろな逆転現象が・・・

27th Sao Paulo International Motor Show 2012 - Day 5

7月初旬、ブラジルより帰国して驚いたのが日本の暑さだ。今年の日本の夏は、体感的に明らかにサンパウロの夏より暑い。まるで赤道直下のような、茹だるような暑さである。その反対に、サンパウロは記録的な寒さとなって、ブラジル南部では雪も降った。

時差ボケが治らない間に、日本の地方都市へ出張に行った。ブラジルから戻ったばかりなので、あまりキャッシュを持たずに、カードがあれば何とかなると新幹線から地方路線に乗り換え、目的地に着いた。

早く着いたので近くの喫茶店で時間をつぶして、さあ行こうと思って、ブラジルの習慣でクレジットカードを出したら、「現金だけです」と言われた。これが実は始まりで、昼食も、夕食も、買い物も、タクシーも・・・。ホテル以外はどこもクレジットカードが使えない。

まさに、20年前のブラジルであった。ハイパーインフレ下のブラジルはごく少数の5つ星ホテルでダイナースカードが使えるだけで、アメックスも使えず、ましてや一般の店はすべてキャッシュであった。ブラジル人は、“シェッキ”という小切手があり、それは重宝していたようだが、われわれ外国人はドルをいたるところにある両替商で、少しずつ崩しながらキャッシュで払っていたものだ。

それが今や、10円でも20円でも、ホテルでも、露店でもクレジットカード(デビッドカード)で払え、まさに昔日の感がある。それもそのはずで、1994年のレアルプランでピタッとハイパーインフレが収まったブラジルで、クレジットカードは一気に普及し、それを象徴する出来事として、2008年世界最大のIPOはブラジルのVISAカードの発行会社であった。

最も大きな逆転劇と言えるのは、政府総債務残高の対GDP比であろう。ブラジルがハイパーインフレで苦しんでいた1990年頃の日本は、67.04%であったのが、2013年には245.35%と断トツで世界の最下位へ転落してしまった。ブラジルは、さすがにハイパーインフレ時代のデータはないが、2013年はほぼ20年前の日本と同じで、67.1%であった。これも、この20年間でちょうど入れ替わった感じである。   

名目GDPも日本は、1994年から2013年の間に、4%減だったのに比べて、ブラジルはなんと13.74倍になっている。

この差はどこから生まれたかというと「政治」だ。

直近の20年でブラジルの大統領はわずか4人であるのに対して、日本の総理大臣は数えられないほど(14人)で、政治の安定度がまったく違う。「女性大統領」の誕生でも先を越された。

さらに、その大統領は国民の直接選挙で選ばれている。日本より人口の多い約2億人のブラジルで直接選挙をやり遂げる秘密兵器が「電子投票」。未だに投票は、紙にえんぴつの日本に対してブラジルは「電子投票」で、即日結果が発表される。ちなみに税金も、ブラジルでは総背番号方式になっており、約90%がすでに「電子納税」をしている。

日本でも今回の参議院選挙で、インターネットが解禁になり、SNSが話題になったが、日本より後にスタートしたが、あっと言う間に抜き去ったのが「FACEBOOK」と「ツイッター」のユーザー数で、アメリカに次いで世界第2位である。

そして最後に、ひたひたとブラジルの足音が聞こえてくるのが自動車であろう。2013年1月から6月のブラジル新車登録台数1,799,064台に対して、日本は1,641,032台、それに軽自動車を加えると日本は2,711,639台まで伸びるが、将来年間販売台数が800万台まで伸びると言われるブラジルが日本を抜き去って世界第3位になるのも時間の問題であろう。

(写真/Mauricio Santana/LatinContent/Getty Images)
2012年10月28日、アニェンビ・エキシビジョン・センターで開催された第27回サンパウロ国際モーターショー、Jac Motors J2

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著者紹介

輿石信男 Nobuo Koshiishi  株式会社クォンタム代表。株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。