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あなたを救える医者を探せ!
ブラジルの医療制度を皮肉ったオンラインゲームが話題に

SUSデモ

ブラジルには、保険に加入した全国民(任意)が無料で医療を受けられる、SUS (Sistema Único de Saúde) と呼ばれる総合医療保険制度がある。制定から2013年で25年をむかえる巨大なシステムだ。ブラジル保健省によると、全国で毎年平均37億人の外来患者が通院し、そのうち医師の診察を受けるのは5億3100万人、1,100万人が入院するという。

しかし、高い理想を掲げたこの制度、現実には資金不足をはじめ数々の問題を抱えている。医師の不足により入院・手術ができなかったり、給付額が低いために医療施設が赤字に陥ることも少なくなく、受け入れ病院が限られているなど、うまく機能していない面もあるようだ。高収入の国民はSUSを利用せず、民間の医療保険に加入し対応したり、個人で診察代を支払い地域の病院で診てもらったりしているようだが、それができない人々は、無料のSUSに頼らざる負えないのがブラジル医療の現状だという。

そんなSUSを含むブラジルの医療制度を風刺したゲーム「SUS-The Game」が注目されていると、1月19日付の「エザミ」、「アブリウ」(共に電子版)が報じている。開発者のヒカルド・ベンキス (Ricardo Bencz) とルイス・アロジャッキ (Luiz Alojziak) が、72時間以内に新しいゲームを完成させるオンラインゲームサイトLudum Dareのイベントで発表した。

ゲーム冒頭には、こんな一文が。「あなたを救える医師はたった一人。手遅れになる前に見つけだしてください。誰も興味が無いし、協力してくれません。Boa sorte (幸運を!)」。

プレイはいたって簡単。左右のカーソルボタンで病院の階段やドアを開けて、病気を治療してくれる医師を探し出すというもの。 ただし、受付カウンターにいるスタッフに期待をしてはいけない。なぜなら彼女たちは、FacebookやTwitterなどに夢中で助けてくれないのだ!

実際にはここまで酷くは無いと思うが、ブラジルの公共医療の現場の描写は、そんなに遠い話でもないのかもしれない。皮肉たっぷりのユニークなゲームで、ユーザーからの評判は良いそうだ。

「このゲームは、僕の彼女が数日前にSUSを利用したことからアイデアを得たんだ」とは、ゲーム開発者の1人、ベンキスさん。

「多くの人々からたくさんの反響のコメントがあるよ。皆のSUSでの体験を基に、このゲームは作られたんだ」(同)。

オンラインゲーム「SUS-The Game」は、サイトLudum Dare や Kongregateにアカウント登録をすれば誰でもプレイできる。「このゲームはフィクションです」と断言できるように、ブラジル政府は医療システムの品質向上が急務と言えそうだ。

(文/柳田あや、写真/Antônio Cruz/Agência Brasil)
写真は2013年10月30日、ブラジリア。SUSの品質向上を訴える抗議集会。2013年6月に全国規模で起こり、最近また盛り上がりを見せ始めているブラジルの抗議デモでも、医療の質の向上に予算を回してほしいというのはマニフェストの大きな柱のひとつとなっている

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