2014年 05月 13日 05:03
代表入りが公式に発表されたネイマールが、スポンサーが主催した記者会見に応えた。ブラジルのメディア(「グローボ・エスポルチ」5月12日づけ、電子版)がその内容を伝えている。
代表選出によってネイマールは、2010年のことを思い出したという。
「当時、自分は選ばれるべき選手ではなかったと思っている。そりゃグループに入りたかったけど、代表を選ぶのは尊敬すべき監督だからね。僕はみんなと同じようにチームを応援した。ぜんぜん落ち込まなかったどころか、一所懸命ブラジルを応援したよ」
ネイマールのお決まりのポーズ「Tóis!(トイス!)」に関しては、「友達との間で遊びで作った言葉で、“nós(ノス:私たち)”という代わりに“Tóis!(トイス!)”っていってたんだ。それをゴールを祝うときにつかったんだ」
もしサッカーをやっていなかったら何になっていたかという質問には、意外な答えを返した。
「わからないけど、たぶん歌手になろうとしてただろうね。音楽のことは何も知らないけど」
ワールドカップ期間の髪型の予定は、未定とのこと。
「髪型を変えようかなと思っているけど決まっていない。その日の気分で、朝起きたときの気分で変えるよ」
ブラジルで他のクラブに所属する可能性についても「考えたことはある」と答えた。
「考えたことはあるよ。他のクラブでプレイするチャンスがあれば、リオでもサンパウロでも。だけどキャリアの最後はサントスで終わりたいね」
スペインで困ったことは、生活面やメンタルの面に限られているようだ。
「フィールドの外にはあるよ。家や友達、家族が恋しいからね。ここではブラジル人の料理人がいて、フェイジョンとか食べるものはなんでもあるけどね」
スペインでファンに囲まれて困ることは? という質問には、どこにいても同じだと答えた。
「ファンに囲まれるのはどこでも同じ。ブラジルでも一緒だよ。僕は行きたければ映画にだっていくし、ファンとも一緒に写真を撮る。とても平和だよ」
ヨーロッパに同化するかという質問には、無理、と答えた。
「僕は、いわば“ファヴェーラ風”だね。ヨーロッパはスカしてるからね。ヨーロッパの上品な人には僕はなれないよ。友達が恋しい、パゴーヂが恋しい。だけど、ここはそれなりに素晴らしい場所だから住んでいて楽しいし愛している。いろんな経験を持ち帰るよ。後僕は浪費家ではない。父親とは違ってね(笑)」
whatsappでセレソンのメンバーとやりとりしているか、という質問は、SNS大国のブラジルらしい問いだった。
「コンフェデレーション・カップのときはみんなでアドレスを交換して、今後も連絡とりあおうねって言ってたんだけど。大体、代表戦が終わると、アドレスを亡くしたりして連絡がとれなくなるよ(笑)」
セレソンの中で一番真面目なのは誰?という質問には、いない、と答えた。
「みんな冗談ばかりいっていて、真面目なやつはほとんどいないよ。みんなバカいいながら冗談に参加しているよ」
怪我に関しては、回復しつつあることをアピールした。
「ワールドカップは万全の体調で臨まなければならない。治療は最終段階にいるよ。土曜のアトレチコ戦の試合に出られるかどうか考えている。土曜に復帰したい。そして代表として戦う」
ブラジルとヨーロッパの環境については
「それぞれのチャンピオンシップに問題がある。ここでも難しいチームはあるし、ブラジルでもそれは同じ。サッカーはどんどん複雑になっていく。だけどサッカーがどんどん変わっていくことで、このゲームを美しくしているんだ」
代表に選ばれたときの気持ちは、待ち遠しかったという。
「待ち遠しかったし、呼ばれて嬉しかった。そのときの気持ちをここで表現するのは無理だよ。でもまだゲームはこれからだ」
代表に選ばれた後にメッシと話したか? という質問も。
「話したよ。冗談を言い合った。僕らは互いにファイナルまで残るってね。メッシは自分が勝つっていったけど、僕は、勝利は渡さないと話した」
ブラジルチームのテクニックについての答えも、希望にあふれていた。
「ブラジルの注目選手の技術はすごいよ。ボールに関しては最高の天才がブラジルにはいるからね。僕にとってブラジルは最高のチャンピオンシップがある」
ブラジルを出て活動することについての答えもポジティヴ。
「お金だけじゃない。新しい夢を追いたいし、新しいチャンピオンシップを戦いたいし、新しい体験をしたい。だからプレイヤーたちはブラジルを出るんだ。ほかの国を知り、ほかの国の言葉をしゃべってね」
一緒にプレイをしたい選手3名を挙げてください、という質問には、レジェンドの名前が挙がった。
「ペレ、ロナウド、ホマーリオ(ロマーリオ)。ロナウドは一緒にゲームをしたことがあるけど。僕が最高だと思っているのはこの3人さ」
メッシから学んだことは、正確さだという。
「ゴールを確実に決めるところがすごいよね。間違えることはほとんどない。自分で決めて動いて決める。それを僕は見習いたい」
ビデオゲームに関する質問には、あまり乗り気ではなかった・
「誰とゲームするかによるけど、PSGとかやるよ。僕はチームを決めるのがすきじゃない。でもチームをシャビとイニエスタを分けるなんて不可能だよ」
対アトレチコ戦については謙虚な答えだった。
「僕らは準備ができている。アトレチコは強い。でも他のオプションはないよ。勝つのみだ」
ワールドカップ前の精神的プレッシャーはないという。
「プレッシャーも感じないし緊張もしない。精神科医は必要ないよ。僕らは、頭がおかしくなってるわけじゃない。楽しく試合にのぞまなきゃ。ある夢の前に辿りついたときは、緊張もプレッシャーもなくなるんだ」
(文/麻生雅人、写真/Getty Images)
写真は5月11日、スペイン1部リーグ、FCバルセロナ対エルチェ戦に現われたネイマール
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