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2014年国際アンデルセン賞受賞のホジェル・メロさんと上橋菜穂子さんが初対面

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5月20日(火)、駐日ブラジル大使館で日本国際児童図書評議会がホジェル・メロと上橋菜穂子両氏の2014年国際アンデルセン賞受賞合同記者会見を行った。

国際アンデルセン賞は、1953年に国際児童図書評議会(本部・スイス)が創設、1956年から始まった表彰。子どもの本に対して重要かつ永続的な貢献をしてきたと認められた作家に授与される。作家部門、画家部門(1966年~)がある。2014年は作家賞で上橋菜穂子さん(日本)、画家賞でホジェル・メロ(ブラジル)さんが受賞した。

上橋菜穂子さんは1962年、東京生まれ。1989年「精霊の木」で作家デビュー。「精霊の守り人」をはじめとする“守り人”シリーズは、各作品が野間児童文学賞、産経児童出版文化賞、バチェルダー賞、路傍の石賞など多くの賞を受賞。2002年にはシリーズとして巌谷小波文学賞を受賞している。「獣の奏者」シリーズはシリーズ累計で214万部を記録している。

ホジェル・メロさんは1965年11月20日、ブラジリア生まれ。イラストレーターとして約200作品に挿絵を描いているほか、20作品では自ら文章も手掛けている。ブラジルの重要な文学賞ジャブチ賞では児童文学の部門で8回受賞しているほか、2002年スイスのエスパス・アンファン財団の国際エスパス・アンファン賞を受賞している。現在、「ブラジルからやってきた! 色彩の画家 ホジェル・メロ展」が安曇野ちひろ美術館で開催中だ。

この日、記者会見で初対面した両氏は、互いに受賞に関する喜びのコメントを述べた後、質問を投げかけあった。

日本を旅してみて日本の風景の中の色とブラジルの色との違いを感じましたか? という小橋さんの質問に対しホジェルさんは「“色”は自分にとってとても大切なもの。色についてお話することは大好きです。色には、本来それ自体には意味はありません。色はオープンな存在で、なんの偏見も持っていません。しかし、色は、様々な文化の中で独特の意味を持つことがあります。安曇野ちひろ美術館で制作した“赤い庭”には赤色を使いましたが、日本では赤は神社の鳥居にも使われ、とても強い意味を持っていると感じます」と答えた。

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日本に来る前に読んだという、人類学者のリラ・モリツ・シュワルツと画家のアドリアナ・ヴァレジョンが共同で制作したインスタレーション・ブックについても触れた。

「ブラジルのさまざまな人に『あなたは何色の人種だと思いますか』と質問して、その答えを元にした作品ですが、白、黒、茶いろ、ピンク、赤、青、紫という答えまであります。色そのものに難に偏見も持たずに、人々が子どものように自由に純粋にいろについて答えていることに感銘をうけました」

上橋さんは自身の作品について「私が書いているのは世界のファンタジー。私が頭の中で作り上げた世界の中で、主人公たちはものを食べたり生活をします。これを描いているとき、おそらく私が自分自身が生活の中でどんなことを現実として感じているかを、一度心の中で消化してから描いていると思います。日本という国の中での生活の中から生み出された世界ではありますが、一度消化した上で、ファンタジーの中のリアリティとして創り上げられています。ですから世界中の人が読んだときに、これを日本の生活だとは感じないで、多くの国々の人が共通して持っている何かに繋がっているのかもしれないと思っています」と語った。

自らも国内外を旅することが好きで、様々な人たちとの出会いが創作に結びついているというホジェルさんは、上橋さんに、創作とノマディズムについて質問した。

上橋さんは「私にとっても旅は重要な経験で、自分の思い込みから外に飛び出す機会。日本の中では当たり前だと思っていることが外に出て初めて当たり前ではないことに気づきます。私が描く物語の中では、主人公は、自分が生まれ育った環境の中から外に出なくてはならない状況になります。それによって主人公たちは、狭い常識から飛び出して、新しい可能性に気づく目を持ったり、あるいは自分は自分が生まれ育った場所の文化に縛られて生きていることに気づいたりします。私の作品と旅は本質的に結びついていると思います」と答えた。

「ブラジルからやってきた! 色彩の画家 ホジェル・メロ展」は安曇野ちひろ美術館(長野県北安曇郡松川村西原3358-24)にて7月22日(火)まで開催中。

(写真・文/麻生雅人)

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