2014年 06月 2日 01:34
「ブルームバーグ」の記事が発端で発覚、5月13日にブラジル国内でも広く話題になったマクドナルド、裏メニューの話題の続報。
「フォーリャ」の料理評論家ジョジマール・メロさんが実際にこのメニューを体験、5月21日づけ「フォーリャ」にレポートを寄稿している。
ブラジルのマクドナルドで裏メニューとして出されている、同国の国民食ともいえる「アホース・イ・フェイジョン(ごはん&フェイジョン豆)」。ジョジマールさんの報告によると、とても味気なかったという。
そもそもこの裏メニュー、「ブルームバーグ」の報告で明るみに出てから、ニュースをブラジルの各メディアが取り上げたほど。メニューの存在はほとんどブラジル国内でも知られてはいなかったようだ。実際、店員の中にも、今でもそんなメニューがあることを知らない人は少なくないようだ。
ジョジマールさんも、調査をした店で最初に接した女性店員は、「アホース・イ・フェイジョン」はメニューにありませんと答えたという。別の店員がそっと彼女に「あるよ」と教えると、彼女は「そんなの聞いたことない、今日から始まったの?」と驚いたという。
彼女はレジのコンピュータの中でこのメニューを探すのに時間がかかってしまい、「23ヘアイス」と値段がわかった時には長い列ができていたとか。
奥の方ではスタッフが鍋を探し出し、料理を作り始めたという。
出てきたのは、ごはん、フェイジョン、ファロッファ、おかずのお肉(ジョジマールさんの場合はハンバーガー)、サラダがひとつの皿にのった、ブラジルではおなじみのプラット(プレート)。3種のソースつき。フォークとナイフはプラスチック製。ドリンクは別料金と言われたという。
しかしジョジマールさんは完食することができず大部分を残したそうだ。
店員に「美味しくなかった? 塩気が足りないよね」といわれたそうだが、ジョジマールさんにいわせれば、塩気が足りないのではなく、味がない、という。しかも価格は割高。
ジョジマールさんが体験した店では、ごはんはちゃんと炊けておらず固い、フェイジョンに味がない、2枚のハンバーグはうすっぺらく肉の味がまったくない、という状態だったという。ファロッファは、それ自体は文句なくきちんと炒ってあったそうだが、あわせるご飯とフェイジョンがダメだったので、結局はこれも台無しだったという。付け合せのサラダは煮過ぎた野菜と缶詰野菜だったとか。
ブラジルのメディア「iG」によると、もともとはサンパウロの同店従業員3万人を代表する労働組合がまかないの食事に、マクドナルドの通常メニューだけでは健康に良くない、ブラジルらしい食べ物を出してほしいと訴訟を起こし、これが認められてごはんとフェイジョンの食事を出さなければならなくなったという。
マクドナルドは2012年から注文すれば誰でも食べられるようにしていたが、ワールドワイドのメニューではないこともあり、表立っては宣伝もしておらず知る人ぞ知る裏メニューだった。
ジョジマールさんの行ったお店では基準通りに出てきていないようだが、「アホース・イ・フェイジョン(ごはんとフェイジョン)」のメニューの基準は、おかず(鶏肉、魚、牛肉、ハンバーグなどから選ぶ)、サラダ、ミネラルウォーターかソフトドリンク、デザートのりんごがセットで23ヘアイスだという。
(文/麻生雅人、写真/Getty Images)
ジョジマールさんに不評だったマクドナルドの裏メニュー「ごはん&フェイジョン」
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