サンパウロでも「ピンクの10月」

2014年 10月 12日

ピンクの10月 サンパウロ

乳がん撲滅と定期健診や早期発見などの啓発を目指すキャンペーンとして、官公庁や公共の建造物、有名なモニュメントをピンク色にライトアップするイベントがサンパウロでも始まっている。サンパウロ市政府が伝えている。

乳がんは世界中の女性に広く発症する可能性がある病気だが、早期に発見することができれば除去することができるとされている。

そのため、多くの女性が定期的な健診を受けることや、日常生活の中で気をつける習慣を持てるように、サンパウロ市の公共照明局(Ilume)は10月の1か月間、市内の建造物などへのライトアップを行っている。

ライトアップに選ばれた施設は、お茶の水橋、バンデイランチス(奥地開拓者)記念像、マリオ・ジ・アンドラージ図書館、バンデイランチス橋、オターヴィオ・フリアス・ジ・オリヴェイラ斜張橋、パードリ・アデリーノ橋(タトゥアペ斜張橋)。

サンパウロ市によると、乳がんは、35歳以下では少ないが同年齢を超えるとリスクが増加するという。統計では発展途上国でも先進国でも、共に発生率は増加している。世界の人口の中で、乳がんの治療を始めてから5年後に生存している人の割合は平均で61%とのこと。

ブラジルにおいては乳がんで命を落とす人の数が増加しているという。その大きな理由が、乳がんが発見されるとき、すでにがんが進行しているケースが多いためだという。2013年には5万2680人、2014年には5万7120人(国立がん研究所(INCA)による)が、新たに乳がんの症例として報告されているという。これは割合で表わすと2013人は10万人に52人、2014年は10万人に56人が乳がんのリスクを持ったことになるとしている(次ぺーじへつづく)。

(文/麻生雅人、写真/Fernando Pereira/SECOM)
10月9日、サンパウロ市、「ピンクの10月」キャンペーンでライトアップされるお茶の水橋