サンパウロに「金太郎飴」専門店がお目見え

2014年 12月 6日

サンパウロ金太郎あめ

以前は富裕層向けだったオリジナル手づくり菓子だが、サンパウロのダウンタウンに手づくり飴細工専門店が登場した。

TVグローボが経済ニュース番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランジス・ネゴーシオス」(11月30日付け)で報じたところによると、この店「ROCKY CANDY」では40種類の飴細工が楽しめる。

目で見て、食べて楽しむだけでなく、プレゼント用としても人気を博しているという。

二人の若い起業家フレッド・ガヴィオーリさんとジョアゥン・オッフィさんがこのお店を始めたのは2012年。二人とも開業する前に2年間、イギリスでレシピを学んだ。

二人は75万レアル(約3600万円)を投資し、店を開いた。資金は製造用の機械、従業員の教育、店舗の賃借費用、ロゴデザイン、店の内装費用に充てた。

飴の原材料は砂糖とブドウ糖の一種であるグルコース。メストリ・バレイロと呼ばれる飴の専門職人とそれをサポートする6人で製造する。

この店ではひと月に100万の飴を製造するが、単にきれいな飴を売るだけでなく、仕上げの工程を客の目の前で行うことでエンターテインメント性を加えている。

作業の公開は毎日決まった時間に行っているわけではないが、飴を切りながらできたての飴を一粒、目の前の客に味見させるなど、顧客の好奇心をつかむ試みがなされている。その効果もあって、毎月の来店者数は1200人を超えているという。

2人の企業家は店頭販売だけでなく、結婚式や誕生日、企業イベントの記念品などの大型の注文も受けており、働けば働くほど利益が上がる、という好循環に乗っている。

ガヴィオーリさんいわく「今年の利益は約100万レアル(約4800万円)。来年は20%の増加を見込んでいます」とのこと。

洗練された顧客層向けビジネスはブラジルではまだ始まったばかり。日本の洗練された工芸・芸能にとっては大きな潜在市場なのかもしれない。

(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Pequenos Empresas e Grandes Negocios」/TV Globo)
TVGloboの経済ニュース番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランジス・ネゴシオス」は日本ではグローボインターナショナル(スカパー 514ch)で放送中